相対正気度調整弁

 どうも、月刊NajikoのライターNajikoです。ゴーストライターではございません。

 最近行っているTRPGの醍醐味、ロールプレイ。わたくしにとってそれはどういうものなのか。またそもそも、自分にとってキャラクターとは何なのか……を考える記事になるかどうかはわかりませんが、テキストベースのセッションでは語りつくせないこぼれ話でも書いていきたいと思います。

 先日もまたクトゥルフ神話RPGのセッションのプレイヤーをやったんですけどこれまた大変楽しめました。具体的にどんなだったかというと、わたくしは終始とぼけ倒した挙句最後の特殊戦闘で急に数ラウンドに渡って出目が最悪になり、こんなおとぼけキャラクターのわたくしをかばう味方たちをボロクソに消耗させた上に、満を持して命がけで神話生物を召喚(シナリオ想定外)。見事召喚と従属をやってのけたまではよかったのですが出目の悪さには抗えず召喚してもしなくても似たような結果に終わるというエンターテインメント性抜群の立ち回りを見せました(?)

 まあ、最後はNPCの味方も含めロストを出さずに生還できたのでよかったのですが本当に今回ばかりはもうダメかと思いました。よしんば自分のキャラが生き残ったとしても、懇意にしてくれたNPCや他のプレイヤーが代わりにロストしてしまったらショックですからね。

 そんなわたくしが今回使ったキャラはこちら。

赤森 珠子(あかもり たまこ)

 例によって画像生成AIでお出ししたイラストを使用しています。セッションを行うCCFOLIAというサイトではメインチャットでチャットを打つと設定したキャラクターの画像が表示される仕様になっており、透過にも対応しているためセッション中は往年のRPGよろしくテキストの横にこのイラストが表示されるわけです。実際に使ってみると、とても見栄えが良いです。

 このキャラは前回別のセッションでも使用しました。というか今回が継続探索限定の指定があったため彼女を続投させたのですが、このキャラは初登場させたセッションですでに結構なおとぼけキャラクターでした。看護師(実際は医学研究助手)を名乗っているくせにDEXがなんと4しかないので初手の導入から「今日はビーカーを3つも割っちゃった」とぼやくとんでもない女です。でもまあ、導入からとぼけ倒そうと思っていたわけではありません。彼女の初登場セッションでは他2人のプレイヤーが模範的で真面目にロールプレイしていたので「じゃあわたくしがちょっとふざけた方が楽しくなりそうだな」と思ったわけです。トリックスターを買って出るのはVRC無言勢の性なのか。いや、別にそういうわけじゃあないんですが。自分より目立って面白い人が参加していたらわたくしはスッと身を引いて、他のセッションでお行儀よくしていた時のように品行方正なロールプレイを始めるかも知れません。まあ、どっちの場合でも探索においては同じだけの試行をしているんですけどね。

 それはそれとして、別にわたくしは本当はふざけたいのに人に譲って我慢するわけではありませんし、自分がふざけられそうな場合においても、シナリオをぶっ壊したりパーティ全体の行動指針を大幅に狂わせるようなふざけ方は(わたくしの中では)しないつもりでいます。なぜなら、わたくしは大きな流れの中で楽しくゲームをしたいからです。ですから、他のプレイヤーがどのような振る舞いをしてもわたくしはいいと思います。ただあまりヤバそうだったら抵抗をしますし、あまり淡々としすぎていたら自分が変な提案をしたりする。他人の行動を変える、というよりは全体の中で自分の振る舞いを変えることで物語の成り行きを観測していく。そうすると、自分の振る舞いの影響を受けた周囲のプレイヤーやNPCが良くも悪くもより活き活きと、解像度の高い行動を見せてくれる。それが楽しくて仕方ないのです。

 わたくしはネゴシエーターであると同時にアドボケーターでもありたいのです。相対的な視点から、全体の流れをより面白くする調整弁の役割を、キャラクターにセリフを言わせることによって実現したい。自分もやりたいことを楽しみながら、キャラクターとしての振る舞いもストーリーも楽しんでいく。ロールプレイでは「このキャラならこう言うだろう」と考えて演じることが肝要ですが、プレイヤーとしてはそのキャラクターを超越的な視点から見ているわけですから、同時に「このキャラクターがここでこんなこと言ったら面白いかもな」ということも考えることができます。そのバランスを取りながら、キャラからキャラへ自分の言いたいこと、またキャラの言いたいことを代弁していくわけですね。そしてTRPGの場合、その結果がうまくいかなかったとしてももちろんそれはそれで面白いのです。何故って、思った通りに行かない方が現実味がありますから……そこはダイスの出目次第でもあります。

 あと今回はせっかくなのでキャラの表情差分を作ってみました。

 これらの差分も入力したチャットごとに違う絵を表示できるので、より感情豊かなロールプレイが可能になります。VRChatでキャラの表情を変えながら話すのと一緒ですね。

 これらの表情差分は左上の絵を元にimg2imgを行い、promptの中の表情を指定する部分を変えることで色々な表情を描いてくれます。ただし、あくまでinpaintではなく全体にimg2imgをかけているので細かい部分は変わってしまいます。服とか、髪型とか微妙に違いますよね。色合いとかも。ただ構図はほぼ一緒なので、左上の元絵から切り貼りして馴染ませればもっと統一感を出すことはできます。今回は急ごしらえなのでそこまでしてませんが、ナース帽のマークだけは切り貼りして同じにしています。マークがそうできる以上、他の部分もやろうと思えばできます。

 ちなみに、AIにばっかり描かせちゃいますがわたくしも自分で絵を描こうと思ったことはあります。絵を描ける、ということに憧れ、そのようになろうと……あるいは、絵を描いている人同士で仲良くするために絵を描いていた時期がありました。しかし、わたくしは絵描きの適性に関してかなり乏しく、練習はしたものの結局描きたい物を描きたいように描けるだけの力は身についていません。それでもなお、もしこのキャラのイラストうちの1枚でも自分で描こうと思ったら丸一日かかってしまうでしょう。そして当然こんなに上手い絵にはなりません。じゃあまあ、自分で描けないにせよもしこのクォリティのイラストを誰かに依頼したら……6種類もの表情差分をオーダーしたら一体いくらかかるでしょうか。少なくともセッション開始の1時間前にオーダーして文句も言わず全部仕上げてくれる絵師はこの世にそう多くはないでしょう。AIくんは快く全部やってくれます。しかも、タダで。

 けどわたくしはたとえ結果的にヘタクソでも絵を練習してよかったと思っています。全然練習していなかったらペンタブを使うこともなかったし、ペイントソフトの簡単な機能に触れることもなかったでしょう。それらの経験は今VRCではテクスチャの作成や改変に役立っていますし、こうして出力した絵の修整を行う際にも役に立っています。わたくしはAIくんほど上手に絵は描けませんが、AIくんに協力することはできるのです。今はAIくんが理解できない部分にわたくしが意図を加えることで、ある程度思い通りの作品を作ることができます。道具は身体の延長、というわけです。

 今回はこんなところですかね。週末にもまたセッションを控えているので非常に楽しみです。それではVRCでもお会いしましょう。怱々。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です