翌日、赤森はまだいつもの職場に出勤していた。夢見にお呼ばれした彼女のラボに臨時異動となるまでには、まだ少し日があったのだ。しかし、来たるその日に向けて気分はどんどん沈んでいくし、そればかりか今日は心穏やかであるはずの通…
なじこのぶいあーるしーにっき
翌日、赤森はまだいつもの職場に出勤していた。夢見にお呼ばれした彼女のラボに臨時異動となるまでには、まだ少し日があったのだ。しかし、来たるその日に向けて気分はどんどん沈んでいくし、そればかりか今日は心穏やかであるはずの通…
ところ変わってここはINCT……の、とある支部。その小さな会議室のような部屋の一角のデスク近くに、2人の女性が座っていた。 「お前、緊張しているのか? 私は悲しいぞ。わざわざお前の好きな那次博士のやり方を真似してなぁ、…
「なんか、ごめんね。お世話になっちゃって」たまなつは食卓テーブルの椅子にちょこんと座って、男が冷蔵庫から食べ物を出すのを待っていた。男の名は那次奈治男といった。この家で仁勢田真夏という名の少女を預けられ一緒に暮らしてい…
「……けて……助けて……なつちゃん!!」彼女は、助けを求めるその声を確かに聞いた。 「わかった。待ってて」彼女はそう呟いた。 仄暗い、石造りの広大な部屋のど真ん中に、その少女は立っていた。周囲には彼女を円形に取り囲…