それから3人は名治子を残して病室を出て行った。また搬入用のエレベーターに乗り、3階へと戻る。 「あのさ……もんちゃん」真夏が話し始める。深木は真夏の方を向いた。 「名治子のこと、許してあげてくれて……ありがとね」真夏が…
なじこのぶいあーるしーにっき
それから3人は名治子を残して病室を出て行った。また搬入用のエレベーターに乗り、3階へと戻る。 「あのさ……もんちゃん」真夏が話し始める。深木は真夏の方を向いた。 「名治子のこと、許してあげてくれて……ありがとね」真夏が…
「もしもし、珠子?」真夏はすぐに電話に出た。 「真夏ちゃんね? 深木くんなんだけど、だいぶ容態が安定してきたみたい。鎮静剤が効いて今も意識がない状態ではいるんだけど、さっきまで手の施しようもなかった症状が急におさまって…
「真夏ちゃん、いる?」そう言って入ってきたのは赤森だった。真夏が部屋に戻ってきてからは1時間ほど経過していた。入室するとすぐに、真夏が返事をするまでもなく和室の入り口で人形のように力なく座って死んだ目をしている真夏の姿…
「おはよう、真夏ちゃん。いいわねー、若い子は早く寝てたくさん睡眠できて……」赤森の声がした。彼女は既に布団をたたんで着替えを済ませていた。 「うぅーん……なんか変わった夢を見ちゃったんだよね」真夏はそんなことを言いなが…
「ただいま!!」真夏は赤森のいる部屋に帰ってきた。赤森はテレビの前で座ったままうとうとしていたが、真夏のデカい声にハッとして目が覚めた。 「おかえり……っていうか、遅かったわね。心配したんだから……」赤森は目をこすりな…
深木のことについてはちょっと大きな声では、と赤森が言うので、真夏は急いで食事を終えて空いている部屋を2人で探すことにした。 「来客用の部屋ならいくらでも空いてるのよね。来客ないから」赤森は真夏と廊下を歩きながら言った。…
「んにゃ!!!」そのとき真夏がそんな声を出したかどうかは彼女しか知らないが、とにかくMorphee Gearからログアウトした彼女は現実世界に意識が戻ってきた。 「お疲れさまでした。ディスクが排出されています。取り忘れ…
「あ!!!」真夏は目の前の女性を指さして叫んだ。そこには、短い緑色の髪をして、左目が前髪で隠れた……名治子が立っていた。 「予定にはありませんが、不審な来訪者ではないと判断します。ご用件は何ですか?」名治子は言った。 …
「体調はいかがですか?」名治子は入り口に立ったまま尋ねた。 「うん……」と深木は目も合わせないまま空返事をするだけだった。数秒の間をおいて、名治子が歩み寄る。 「ちょっと、お隣失礼しますね」と名治子はベッドの傍らにあっ…
「深木さん、どうぞ」近くの引き戸が開いて、看護師が声を掛けてきた。 「行ってらっしゃい。また後で迎えに来るから」赤森はそう言って深木が不安そうに診察室へと入っていくのを見送った。深木は診察室ではいたって普通の検査を受け…