Najikoです。昨日の記事が長くなったのでこちらは別枠の記事にします。
SS「Nuj計画」の各話には、挿絵を入れています。これらはAIに描いてもらったものです。画像生成は、最初遊んでいるうちはAIに絵を描いてもらうためにAIに絵を描かせていたような感じでしたが、約半年の間に描いてほしいものを描いてもらうにはどうしたらいいかを追求してきた結果、このような使い方ができるようになったというわけです。まあ、ここまで書いておいて言うのもなんですがわたくしお話考えるの苦手なので、長いこと文字ばっか書いてると「うーん、これ誰か読んでくれるかなぁ……」とか「自分で書いたけどなんかちょっとなぁ……」と思い始めてモチベーションが下がっていったりもするのですが、絵が1枚あると「映える~」とか「かわいい~」とかの原始的な感情でモチベーションを維持することができます。
ちなみに挿絵にはAIを使っていますがお話にはAIを使っていません。AIに聞いたらわたくしが考えるより面白いお話を作ってくれたかもしれませんが、わたくしは書きたいことを書くために書いてるのでAIくんは絵だけ描いてくれればよろしいです。なんせ、わたくし昔はpixivとかで小説たくさん書いてブイブイいわせて……ないんですよ。続き物の小説完結させたの初めてなんですね、これがね……まあどっちにせよ書きたいこと書けば勝ちです。ハイ。
Table of Contents
第1幕
ちなみにこのシリーズ1話じゃなく1「幕」としていますが、特に意味はないです。元々真夏ちゃんが登場する話じゃない予定だったのに真夏ちゃんを乱入させたのでガッツリ真夏ちゃんの挿絵を使っています。が……
最初は電話ボックスの絵を出したかったんですよね。挿絵だし、風景画みたいな方がいいんじゃない? と思ったのですが、困ったことに洋風の電話ボックスしか出ないんですよね。無理もありません。日本の電話ボックスの形って特殊というか、ね……
あと田舎の道に白いセダン、というのもあったんですけど、風景とマッチしなさ過ぎてシュルレアリスムに片足突っ込みそうな絵になって来たのでやめました。SAN値が削られてしまいます。
その後散歩中の真夏ちゃんを出力しようと心に決めますが、猫耳ヘッドホンがなかなか出なかったり、猫のようなクリーチャーが同伴したりと色々ありました。謎にメスガキ顔してるし。
最終的にはこんなところで落ち着きましたね。ちょっと荷物を持ってるのを選ぼうとしていた気がします。今後1日目の真夏ちゃんはこのカラーのパーカーを着てもらうことにしています。
第2幕
第2幕の画像はこのSS用に出力したものではありません。別のセッション用に赤森promptで回していたときに画的にすごく魅力的なのが出たので使ったという感じです。本人は目の色、ホントは赤なんですよね。
ちなみにこの画像はVaeファイルを適用しないで出したバージョンで、このようにVaeを使わないとめちゃくちゃ色褪せた絵になってしまいます。
第3幕
ベッドサイドの深木くんに話しかける名治子の画像ですね。名治子はメカクレしてる目が逆になることが多く、ガチャ要素が強くなるのであまり出したくないキャラです。これは合ってますが、服の色があってないし。
あと純粋に病室のベッドサイドに見える絵を出すのは難しいので最終的には入り口に立ってるところの絵にしました。
まあ病室の入り口ってなかなか難しいですよね。これはメカクレが逆。
最後はこれに決めました。この光の感じがいいんですよね。Dramatic lightingとか入力したようなしてないような気がします。どうだったかな……
第4幕
バーチャル空間に降り立った真夏ちゃん。ディスプレイのブルーライトのみが照明、みたいな閉鎖的な部屋を出力したかったんですが、なんということでしょう。そこには間接照明と自然光を取り入れたオシャレなオフィスが。ちゃうねん。いい絵なんですけど、何一ついうこと聞いてないんよ。
パーカーの色とかも相まって結構ガチャ要素強めです。
これいいね! と思ったのですが表情などを調整して……
ほい。微調整と小細工、大事です。ちなみに、Morphee Gearの「Morphee」とはヒュプノスの3人の息子の内の一人、モルペウスのフランス語読みです。ですので「モルフェギア」と読むのが正しいということになるかな……? モルペウスは3人の兄弟の中で「人間の夢」を生み出す存在なので、ヒトの人格をどうこうするVR機器の名称にはふさわしいかと思います。
第5幕
今回一番頑張った回かもしれません。名治子AIと真夏ちゃんのツーショット……のはずなのですが。
通常の方法では別々のキャラのツーショットは出力できません。範囲を指定して「こっち側はこのpromptでこっち側はこのprompt」という形でミックスしてくれるアドオンを使用してみたわけですが、なんですかこれは……
背景のこともあってなかなか……結構惜しいのは出るんですけど……
シチュエーションというか構図的にはこれがいいかなーと思ったのですがここから寄せていくにはかなりのレタッチが必要になります。
完成したものがこちら。2人の表情とか結構気に入ってますね。AIが描く絵は1枚絵のポートレートみたいな感じにはなるのですが、意味があるシチュエーションや記号を盛り込もうとするとレタッチが必要になり難易度が跳ね上がります。余計な部分を消したりとか……まあ全部やってると大変なので「まあ、こんなもんか」ってところでお出ししています。一応文章の方がメインコンテンツですのでね。
第6幕
では問題です。これはどこのシーンでしょうか!
はい、真夏ちゃんと赤森が食堂で飯食ってお話してるシーンです。デフォルメされすぎです。かわいいけどさ……
しかしまぁー、シュールな絵しか出ません。なんで隣座ってんのよ。そして全体的に背景がオシャレすぎ。丸テーブルもなかなか出ないですし、工夫次第というところではあるでしょうが社食の寂れた感じはそうそう出ません。
あんまりにもあんまりだったので場面を変えてみることにしました。自販機のとこで真夏ちゃんがひょこっと現れたシーンですね。構図がナンパ。結局このシチュエーションも難易度が高すぎるので没。
しょうがないからもう赤森がスマホ渡されたシーンにしてお茶を濁そうと思ったらflat chestを入れ忘れて巨乳赤森が爆誕。ヒヤリハット案件です。あとこの画像も最終的な画像もそのままだと赤十字が出てしまっているのでその都度消しています。ギルティですね。
最後はこれ。丸テーブルだし、ちゃんとスマホ持ってるし、そこそこ困惑してるし、画的にはいい感じです。ここで沼にハマると本編を書き進められないのでこれでいいです。
第7幕
深木くん回です。セッションで登場した深木くんのディテールを一度クラゲさんに見せてもらっています。
本来はツインテールだったのですが、脳波検査を受けた後病室に搬送されているのでほどいているところにしました。しかし、病室のベッドがなかなか出ません。
これとか結構気に入ってたんですけど、もうちょいこう、一人呆然としてる感じが出したかったんですよね。
モデルを変えてimg2imgを続けるなどしていると構図もいい感じになってきました。
最後は深木くん本人の特徴を描き加えて完成です。男の子ですよ。脳が破壊されます。
第8幕
真夏ちゃんが猫と歩くシーンです。ほっとくとタイツと脚がミックスされがちなのでporomptでちゃんと指定した方がいいです。あとは猫がクリーチャーになりがち。
ちょっとお淑やかすぎるのと猫がふてぶてしすぎるのでこれは不採用。
雑コラしたり空の色を変えたりしながら再生成して完成です。右手首にブレスレットを描き加えています。物語上重要なアーティファクトですからね。
第9幕
曇り回です。この回は本来アクションシーンに該当する場面を出せればよかったのですが、血だまりに倒れる名治子も6割ハンギョドンの深木くんも出力難易度も高いし画的にかなりショッキングなので最初から考慮せず……
曇っております。あんま悲惨すぎる画にするのは結局ショッキングだし、かわいそうかなぁと思ったのですが……
はい。結局。わたくし、あんま曇らせ好きじゃないんですけど、真夏ちゃんがずっと八面六臂の大活躍をして終わるだけだとなんか申し訳ないなと思ったのでちょっとびっくりしてもらいました。こちら、hires fixしてるので劇画みがやや強いです。ちなみに余談ですが、この回で登場した6人のエージェントはINCTの人間ではなく、名治子がこのような事態に備えて雇い、職員に偽装して配備させていた民間軍事会社のエージェントです。脳波検査の際に名治子が連絡を取っていたのもかれらです。
第10幕
意を決して真夏ちゃんが歩き出すシーンです。前日と打って変わってマイペースさを取り戻した真夏ちゃんのパワーを背中で表現できたと思います(?)
振り返らないで歩いてほしいのですが、後ろからの構図を指定するとまあ振り返ります。
最終的には結構ドラマチックな画になったので満足です。
第11幕
11幕は一堂に会してるシーンなのでその様子を描いてもらおうとするとまあ4人分+名治子はベッドに寝てるわ深木くんは車いすに座ってるわでちょっと無理寄りの無理なので「あの日あの時の海岸」にいる深木くんを描いてもらいました。深木くんの絵もこの辺で入れないと真夏ちゃんばっかりになってよくないなと思ったのでこれはいいんですけど結局総合すると真夏ちゃんばっかりなんですよね。
こうしてみると馴染み深い服装な気がします。
最終的にはこれ。本当は砂浜の方が良かったんでしょうけど、構図的には良かったです。ヘアピンと服の模様も忘れずに加筆。
第12幕
ここは種明かし回なので画的にめちゃ映える場面ではなく、普通にいくとなんかニコニコした真夏ちゃん出しときゃオッケーみたいになっちゃうのであえて猫にフォーカスしました。2月に亡くなったわたくしの大事な家族、黒猫のルールーに捧げます。
この絵が一発目で出力されたので十分に良かったのですが、もうちょい引きの構図が良かったので……
最終的にはこれで。目ばっかり目立って見えるのが黒猫のかわいいポイントです。
第13幕
いよいよ終幕に近づいています。ここは赤森が車で出発する2人を見送る場面を描いて欲しかったんですけどね……
はい、完全に車を1台お釈迦にしています。そんなところで赤森のDEXが4しかないの回収しなくていいですから。
そんなシュールなやつは稀で、結構エモな画が出るんですけどね。
最終的にはこれ。車が行ってしまった後の様子という感じですね。ちなみにこれもめちゃくちゃ余談なんですけど、深木くんが赤森をあんまり悪く思っていない理由は、赤森が名治子の部下だから逆らえないだろう、という状況への理解によるものだけではなく、単純に赤森が20代のお姉さんだからです。名治子は色気のない容姿の30代ですし、真夏ちゃんは同年代なので異性と言えど深木くんからすればあまり興味ないんですけど、多感な時期の少年ならほどよく年上の白衣の天使は魅力的に感じるでしょう。作中に名治子がそのことを考慮に入れているセリフがあったりします。赤森本人はというとセッション中は坂でぶち当たってきて自分を前のめりに転倒させた深木くんを追いかけまわしてぶちのめそうとしたりしてましたが、それは内緒です。
終幕
終幕はまあ、真夏ちゃんなんですけど……第1幕で街を散歩してた構図とかぶせる形で、海岸に立ち寄ったときの夜の情景を出して欲しかったわけですね。
これは間違ってStable diffuison1.4のモデルで出したものです。ここからよくぞ数多の二次元イラスト特化モデルが誕生するに至ったものだと感慨深くなるところです。でもせめて海岸くらいは出しなさいよ。
同じpromptでモデル変えただけですぐこれですからホントどうなっちゃってるんですかね……
真夏ちゃんはおおむね安定するんですが、問題としては「猫耳ヘッドホンが本物の猫耳になってしまう」とか「パーカーの色が違う」とか「要らない建物が出る」とかですかね。
最後はこれでおしまいです。パーカーは2日目からはこの色。ヘッドホンの形が毎回違うのだけはいかんともし難いですが、まあむしろこれが一番よく描けてる気もします。
こんな感じですね。意外とめちゃくちゃなやつは出ないんですけど、惜しい! っていうのが無限に出るのが画像生成AIというもの。最後の一押しをして「意味のある絵」を作り上げるのは、まだ人間の仕事です。或いは、直に加筆せずとも、手間をかけて意味がある絵を生成できるよう調整するのもまた人間です。この手間の有無にはまだAIと人間に間に大きな隔たりがあるように思います。労力としては大したことないのですが、「ヘアピンをつける」みたいなことが絵が意味を持つかどうかの大きな分岐点となるわけで、そこまでAIが簡単にやってくれるようになるには……まだ少し、ほんの少しだけかかるかも知れません。
ということでほぼ日刊Najikoは終わりを迎え、これからはまた月刊Najikoに戻ることでしょう……今度はまた人の役に立つ改変の記事とか書いていきたいですね。それではまたあっち側でお会いしましょう……