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そうさねから始まるRPG

 Najikoです。ねんまつでございますね。

ダクソ始めてました

 SteamのオータムセールがあったときにDARK SOULS3が3000円くらいで売っていました。買いました。というのも、その前にVRChatで「Rhapsody」という当時はソウルライクなワールドと言う触れ込みで大々的に宣伝していた壮大な謎解きアクションアドベンチャーワールドを攻略していたのですが、わたくしときたらソウルシリーズ及びソウルライクゲーは未履修だったんですよね。それで、まあクリアするのはムリでも雰囲気くらいは味わっておきたいなぁ、と思ったわけです。

 よく「ソウルライクというと高難度ゲー理不尽ゲーの代名詞のように扱われがちだが本家はしっかりと楽しめるようバランスを考えてデザインされている」という話が定期的にTwitter(自称X)に上がってくるのを何回も見てきましたが、わたくしはその度に「そうは言っても結局ムズいもんはムズいんじゃろ」と思っていました。アクションが絡むゲーム全てで常軌を逸した操作の下手さを発揮するわたくしは「攻略できる難易度」が一般人のそれを大きく下回っているため、エセソウルライクも本家ソウルも結局クリアできないことには変わりないと思っていたわけですね。

 ところが、わたくしは自分で買った本家ダークソウル3とフレンドからギフトでいただいた無印ダークソウルのリマスター版を両方、一周はクリアすることができました。パリィなんて全くと言っていいほどできないし、複雑な操作ができないので奇跡、呪術、魔術の類もほとんど使いこなせないし、見てからモーションを判断して回避するような反射神経も動体視力も学習能力も微塵も持ち合わせていないこのわたくしが。なんとDLCも最後まで攻略できました。どうしてでしょうか。

実は「思いやり」の代名詞?

 多分、初見で何の情報も見ないで遊んでたらとっくに投げてると思うのですがこれだけ有名タイトルですから攻略サイトには先人の知見が山ほど集まっています。そこにはわたくしのように常軌を逸したヘタクソな人間が行うといいこともしっかりと書いてあるわけです。とてもありがたいですよね。

 ダークソウルシリーズは成長がステータスビルド型のゲームです。上げたい能力はその都度自分で選ぶというわけです。この時点でもう初見の人は途中でセーブを消してやり直す羽目になる可能性があることは想像に難くありません。というのも、大雑把に「積極的に振った方がいいステータス」「1ポイントたりとも振る価値がないステータス」「必要に応じて既定のポイントまで振ることが推奨されるステータスが混在しているからです。初見の人間にはどれがそうなのかわかりません。

 例えば攻撃力が上がりそうな「筋力」は振れば振るほど火力が上がってよいような気がするのですが、筋力を上げても「筋力補正」が高い武器をメインに据える場合以外恩恵が薄く、装備したい装備の要求ステータスを満たす以上の筋力を振ってしまうとその分が無駄になる、といったことがあります。また初代には「耐久値」というステータスがあるのですが実際には「体力」に振っても耐久は少し上昇する上にそもそも「生命力」に振った方が効果的なため1ポイントも振る価値がない、というものだったりします。じゃあ「体力」「持久力」「生命力」といったステータスは無限に振ったらいいのかと言われると「40以降伸びが悪くなる」などの要素もあります。

 はっきり言ってそんなこと初見でわかるわけがないし、試行錯誤してもわたくしはそのからくりを解明しきれないと思います。そもそも試行錯誤している間にわけもわからず死にまくってゲームをやめてしまうでしょう。そこでわたくしは最初からしっかり攻略サイトを見て、自分でも扱えそうな武器に目星をつけて「筋力や技量はその要求値以上には振らない」というスタイルを取りました。するとその分を序盤から効率的に生命力、体力、持久力に振ることができ、生存能力を上げることができるからです。

 そう、普通のゲームであれば攻撃力に全然ステータスを振らないなんてことをしていると後々火力不足で敵が倒せなくなること請け合いですが、実はダークソウルに関してはそうとも言い切れない「抜け道」的なビルドがあるのです。初代では「属性戦士」、3では「粗製戦士」と呼ばれるビルドです。この属性とか粗製と言うのは武器の派生強化のことです。ダークソウルは普通に強化値を重ねていくほかに武器になんらかの特性を付与する「派生」があり、一部属性武器や「粗製」に派生させた武器は一定の攻撃力を得る代わりに能力補正が一切なくなるという特徴を持っています。これを逆手に取ったのが上記のようなビルドで、本来火力を上げるためにはたくさんポイントを割かなければいけない筋力に振らなくても一定の攻撃力を得つつHPやスタミナをレベルの割に高くすることができるわけですね。

 普通にアクションの腕に自信がある人はそんなにHPに振らなくても筋力や技量にガンガンポイントを割いて好きな武器で好きなだけ火力を出してハラハラドキドキする戦闘を繰り広げればいいわけですが、アクションが無理だとそうもいきません。いくら火力を上げたところで一撃食らって死んでいては攻略はできませんので……しかし上記のようなビルドを行うことで多少敵の攻撃をバシバシ食らっても持ち直しつつ戦い続けることができるようになるわけです。

 さらに、アクションが苦手な人でも多種多様な装備の中にはちゃんと選択肢が用意されています。モーションが非常に優秀な直剣、一撃離脱でわかりやすくダメージを稼げてリーチも長い特大剣、手軽に遠距離攻撃手段にできるボウガン、パリィができない代わりに攻撃から身を守ることに重きを置いた大盾など、できることだけ頑張ればクリアに結び付くような選択肢があるというのはとてもありがたいことです。もちろん、周回を重ねて難易度が大きく上昇してくればそれだけ操作にも高い精度が求められますし、対人戦をしようと言うならなおさらでしょうがこのゲームは据え置きゲームですから「クリアしてエンディングを見る」という明確な出口があり、そこまでの道のりは色々用意されている。こういうところが本家の「きちんと考えられている」部分なのではないでしょうか。

背中で語る王道ダークファンタジー

 そんなありがたアクションな本家ダークソウルですが、ゲーム内容もまた非常に面白いです。おそらく今日日これが「王道のダークファンタジー」という位置づけになっていると思うのですが、やってみると胸焼けするような長く膨大な情報量のシナリオはお出しされてこないことがわかります。近年(といってもシリーズ最後の3でも既に2016年の作品であり、実際にはここ十数年にわたる話ではあるのですが)据え置きゲームの大ボリューム化は著しく、「ムービーゲー」と揶揄されるほど事あるごとに映画のような情報量を流し込んで来るゲームも多かったですが、ダークソウルはそうではありませんでした。ゲームやってる最中に流れるムービーなんていうのはエリア移動の際やボスの登場シーン、NPCとの会話イベントのごく一部を除けばほとんどありません。

 じゃあ淡泊な内容なのかと言われると、設定と世界観は信じられんくらい壮大で独特で、きちんと回収すればNPC関連のイベントの数も多いのですがまああとにかく押しつけがましくないんですよね。しかしそれゆえなんとなく進めていると「何でこいつと戦わなきゃいけなかったんだっけ……」とか「そもそもこいつなんでここにおるんや……」みたいになることもあるんですけど、それも考察などを見れば理解できる内容であったり、よく見るとアイテムの説明文から伺い知れる情報があったりと、盛り込んでいるものは山ほどある一方でプレイヤーの体験を邪魔しない形で提供されているのがこのシリーズの特徴かなと思います。

 わたくし、元々全身鎧の騎士が好きなんですよね。FGOの狂ランスロットとかみたいの……カッコいいじゃないですか。なんか、戦隊ヒーローみたいですよね、素顔が見えないプレートアーマーの騎士。それで、Twitterで昔深淵歩きアルトリウスのイラストが流れてきたのを見て「そうか、ダークソウルはこんなカッコイイ騎士が出てくることで有名なタイトルなんだ。いいなぁ」と思っていたんですよね。

生前のアルトリウス氏

 ですからね、アルトリウスと戦えたのもよかったし、ダークソウルにはカッコイイ鎧がいっぱい出てくるのでとても嬉しかった。

こちらは3の騎士の初期装備なのですが……

実は無印の「上級騎士」装備と一緒なんですね。これはこれでいいんですけど、3で見たときは「なんかずんぐりむっくりしてんなぁ」と思っていたところ……最序盤からロスリック騎士というどう見ても自分よりもデカくてシュッとしててカッコイイ騎士が出てきたもんですから装備落とすまで粘って一式そろえました。

ほらカッコイイ。まあ、敵よりだいぶ小柄なのがアレなんですけど……今見ると上級騎士装備も結構いいなと思ったりはします。

 あとわたくしは無印に登場する太陽の戦士ソラールがとても好きでしてね……この人、装備はすげーカッコいいわけじゃないし、なんか手描きのマークつけてる変わった人なんですけど、めちゃくちゃいい人なんですよね。ロードランの地で結局「俺の太陽」は見つけられなかった彼ですが生存ルートではラスボス前に白サインを残しており一緒に戦ってくれます。ほら、もたもたしてるわたくしに代わってとどめさした挙句「やったな! え、どうかしたか……?」みたいな感じでこっち見てるのチャーミングだと思いませんか。大体NPCがロクな運命を辿らないダークソウルですが、彼はこう、本人が最後に登場した場面では意気消沈してどこかに行ってしまったきりなんですけど「最後に霊体として助けに来てくれる」というその事実だけで「まだ信念を捨てずに生きてるんだぞ」ということを示唆してくるのが、なんというか……繰り返しになりますけど「押しつけがましくない」良さがあるんですよね。とてもよい。

好きすぎてたまなつちゃんにコスプレさせる始末。パーカーに太陽のシンボル描いただけじゃなくてちゃんと剣と盾をモデリングしています。

太陽霊にもなれます。どうしてこんなことに力を入れちゃうんでしょうか。いや、元々それが楽しくてやってんですよね、VRChatってさ……

終わりがあるのが終わり

 そんな感じで大満足だったソウルシリーズでした。2? あ、エルデンリングやらなきゃな……まあそれはともかくとして、やっぱ据え置きゲームって良くも悪くも一定のゴールがあるのがやっぱいいよな、と思うんですよね。ソシャゲを見てくださいよ、金と時間を無尽蔵にかけないと他のプレイヤーに一生埋め合わせられない差をつけられてしまう上、ゲーム内のコンテンツにすら置いて行かれてしまうんですよ……金と時間を無限に持っていかれるのは現実だけで充分です……

 まあ、そんな感じです。VRChatはゴールとかないゲームですけどそれはいいのかと言われるとまあVRChatはゲームと言うか「生活」なのでって話なんですよね……VRChat内のゲーム、というのもありますし先日までドハマりしていたWorld of the soulの話もあるのですが、それはまた別の機会にさせていただくこととしましょう……それではみなさん、良い年末年始を。わたくしは大晦日夜勤なので、Quest2を持っていってQuest対応ワールドでそっと年越ししてるかも知れません……

たま☆なつの話

 Najikoです。更新頻度がまちまちです。

 旧Twitterの時代から毎日のようにポストし続けている「〇〇するたまなつちゃん」構文。わたくしはこれを小説版たま☆なつとして扱っています。

 もはや多すぎて、わたくし自身も内容を把握しきれてないしポスト以外に文面を保存していないのでアーカイブを追うことも難しいです。一応Xで「”たまなつちゃん”」と検索するとたくさん出てきます。

 漫画版たま☆なつやイラストに比べればごま塩程度にしか認知されていない小説版たま☆なつですがわたくしにとってはこれがたまなつちゃんに関する最も重要なコンテンツだと思っています。理由は単純で、最も簡単に多くの情報量を世に送り出せるからです。

 わたくしの脳内のたまなつちゃんの一挙手一投足は内容が膨大すぎて、全てを漫画版にすることは到底できません。小説版のエピソードはおそらく1日1つは投稿しているとして、2022年から丸2年半以上投稿しているため総数は900を超えています。いや多いな……そんなに?? すみません、自分でもつい驚いてしまいました。そんなにあるのかと。しかし漫画版はどうでしょうか。わたくしが怠惰だということもありますが、まだエピソード数では30に満たないのです。たったの30分の1未満です。それにもっと言えば、小説版でもわたくしが抱えているというか、発生させ続けているたまなつちゃんの幻覚の中で「140字に収められたエピソード」の一部に過ぎないのです。

 そもそも漫画版を制作しようと思ったのは「せっかくこれだけの量のエピソードがあるんだから、漫画になったら自分が嬉しいな」と思ったからです。それが去年の11月からスタートして、随分と多くの人に見てもらえたと思います。先日も書きましたがたま☆なつ創刊号合同に多くの方が参加してくださり、現地で完売できたのもひとえに多くの方にたまなつちゃんを認知していただけたからにほかなりません。

 でもまだまだ足りないのです。わたくしが幻覚を見続けている限り、たま☆なつが終わることはありません。

薬はやってません

 長編のお話にすることも考えないではないですが、長編を漫画にするのは大変だし、かといって文で出すと現状は誰の目にも入らないと思うので目下の目標はたまなつちゃんを「長編小説として出しても読んでもらえるくらい興味を引く存在」に育て上げることかもしれません。

 実を言うと、毎日ポストしている小説版も当初に比べると随分とインプレッション数が増えており、いいね数が数十にも上ることもあります。ただわたくしは、小説版のインプレッション数がほとんどないことを逆手に取って「漫画版のネタのメモ」として投稿しているところもあるので、別に小説版は伸びなくてもいいんですけどね。仮に伸びたとしても、今までに「ほとんど誰も見向きもしていないエピソード」が数百に及ぶ以上は、漫画版のネタに困ることはないでしょうけども……

強すぎるブチギレカリンちゃん

 わたくしはたまなつちゃんの存在する世界を便宜上「たまなつバース」と呼んでいます。たまなつバースにはたまなつちゃんのように「キメラ」であるアバターもいるとは思うのですが、現状描かれている感じではあまなつちゃんとしらたまちゃんという異種族の間に生まれたことになっているたまなつちゃんは明確に異端です。他の登場人物が無改変のアバター姿をしているのがそれを際立たせています。

 登場人物のフィジカルというか戦闘能力を強くしすぎているのはまあ、なんだろうな、一応それなりの理由があるんですけど、それ以上にギャグ時空が最も永遠に近いからなのだと思います。現実に近い「強度」で描かれた世界はそれだけでいずれ「死」を迎える可能性が示唆されていると言えますが、ギャグ時空であればそのような凡庸な「死」とは無縁です。ですがエントロピーが極大のカオスな世界ではお話が成り立たないので、「多分このくらいの制約はある」という仮初の枠の中に箱庭を作ります。それに時折たまなつちゃんやカリンちゃんが変な方向から穴を開けたりするのがたまなつバースのお話なんだと思います。知らんけど。

 でもね、時間がない……わたくしはヘンリー・ダーガーのように労働時間以外の全ての時間部屋に籠って何十年も作品の制作に費やしたりはできないのでこればかりは仕方ないんですけど、一日のどこかでぬるっと生じる小説版と違って漫画版たま☆なつをお出しするには多くの時間を消費するため、「今日はソシャゲのイベント進めるか」なんて思ったらもう進みませんし、ひどいときはログインする時間すら惜しまねばなりません。いやログインくらいちょっとしたらええやんと思うかも知れませんが、わたくしの脳はタスクを理路整然と並べられるようにはできていないので「これをやろう」と思ったら他のことはもうできないのです。致命的ですね。

 しかしわたくしはやりたいときにやりたいようにたまなつちゃんのコンテンツをお出しできればまあいいかな、と思っています。それが多くの人の目に触れたら嬉しいですが、触れなくても「自分がやりたいから」やっているというところに変わりはないので……そういうわけなので、これからもたまなつちゃんをよろしくお願いします。VRCにも毎日いますからね。呼ばれたら行きます……ということで、あちらでまたお会いしましょう。ああ、でも時間がない……Vketが終わってしまうから……

カードは暴力

 お久しぶりです。Najikoです。

 11月にはVライフ!5巡目にてたま☆なつ創刊号合同を無事頒布することができました。参加者の皆さん並びにほとんどすべての編集を投げてしまった上にスペースを間借りさせてくださったるーとんさんには本当に頭が上がりません。まだ下げ続けてます。ありがとうございました。お手に取って下さった皆さんもありがとうございます。電子版と受注生産版もあるので現地に行けなかった方も気になりましたらチェックしてみてください。

↓こちらは受注生産版。

https://najiko.booth.pm/items/6281470

↓こちらは電子版です。

https://najiko.booth.pm/items/6344117

 そんなわたくしは先日久々に学生時代のリア友と街に遊びに行きました。今実を言うとわたくしはここ10年くらいで、というか下手すると人生で最も経済的に貧しい状態にあり(※職を失ったりはしてないです。ずっと同じところで正規で働いてます)遊びに行けるようなご身分ではないのですがまあなんとか身銭を切って……という感じです。夏以来街とかどこも行ってないしね。

 リア友はカードゲーム仲間なので、昔から遊戯王とかデュエマとかまあ、色々やってはいます。やってはいるんですが身内で一番ホットなのは「カードファイト!!ヴァンガード」です。これももう今や十数年の歴史のあるカードゲームなのですが、実はわたくしは現在ほとんど触っていません。

 理由はいくつかあるんですが、このゲーム実は不定期に2回スタン落ちを経験しており、わたくしが社会人やってる間に学生の頃組んでたデッキや集めたカードが現行のルールで使えなくなってしまっているんですね。それに加えて元々再録が少なく汎用カードの値が高い(しかも同名カードは4枚まで、デッキ枚数は総数54枚のため出費がかさむ)、スタン落ちする度に扱うショップが減って街とネット以外での入手性が悪くなった、そもそも試合をする相手がおらず街に行く頻度的に1年に1回やるかどうか怪しい、といった状況だったため離れるのも当然ではあるのですが……

 それはそれとして、せっかく1年に1回でもこうして集まって遊ぶ機会があるのであればなんとか試合になるようなデッキを持っておくのは悪くない選択肢です。遊戯王ならマスターデュエルがあるので紙のカード持ってなくてもなんとかなるんですけどね……さて、まあ先日遊びに行った時点で1個はデッキを所持していたのですが、それも2年以上前に組んだようなデッキだったため新しいデッキがもう1個くらいは欲しくなりました。2つあれば一人で練習試合ができますからね。やっぱ手持ちのデッキは2つは欲しいです。

 デッキを組むのに講じることができる手段はいくつかあります。

・パックを剝いてカードを入手してデッキを組む
いわゆるフルスクラッチです。ヴァンガードは「国家」単位で組み合わせることができるカードが限られており、その上カテゴリ同士でのシナジーがないカードは汎用カード以外入らないため一人でパックを買い集めるほど使わないカードだけ山のように堆積していくのに加えパック自体も高いので3人、4人でパックのカードを余すことなく分け合って使えるような環境でなければパックを買ってデッキを組むのはお勧めできません。凄まじい出費になります。しかも、汎用カードは再録されていない限りほぼ別口での入手になるため1つのパックだけではデッキが組めないことが多いです。

・全部シングルで買う
取り扱いが少ないこともあり、現地ではまず揃いません。しかもすべてのカードをまともなシングル価格で買うことになるため、パックを剥いた場合に無駄が出ること以上に財布へのダメージが大きくなります。パックを剥いた場合は使わない高価なカードを売却したり、欲しいカードが高価だった場合シングルで買うより安く手に入ることもありますし、どちらかというと複数人でパックをある程度剥いて出なかったカードだけシングルで買う方が一般的ですね。

・構築済みデッキを改造する
一見無難なやり方です。構築済みデッキには試合で使えるカードが最低限入っているので、強力なエースカードなどを買い足して別のデッキに作り変えればOKというわけです。しかし、バニラの「トリガーユニット」を効果付きのものにかえたり、そもそもエースカードを同国家の別カテゴリにしたりするとごそっとカードが入れ替わることもザラなので、「ルール上最低限の体裁を保ちつつ少しずつデッキを改造できる」という以上のメリットはあまりありません。ただまあ、改造しながらデッキを使うことで手になじませられるので初心者におススメのやり方です。とはいえ、ヴァンガードの構築済みデッキは最近はよくできているようで5000円くらいするセットを買えばそのまま十分戦えそうではあります。

・カードショップで売っているデッキを買う
この「デッキ」は公式の商品ではなく、誰かがデッキごとカードショップに売却してそのまま売りに出されているようなものを指します。これが一番速いし安いです。誰かが使用していた実績がある上に、あんまり変なデッキだと売れないので必要以上に安価で売られていない限り中身がしっかりしている場合がほとんど。店員に言えば中身も確認させてもらえますし、「レアなわけではないがシングルで探すと手に入らないカード」も採用されていればしっかり入っています。値段も何故かシングルで全部揃えるよりも遥かに安価で、しかもスリーブに最初から入っていることも多く試合で使う目的で買うならコスパ最強です。

 そんなわけでわたくしは当然ショップで売っている誰かが使っていたデッキを購入することにしました。しかし闇雲に購入してはいけません。まあ、バカ高い値段で売られているデッキは当然そのまま大会に出られるくらい強いのですがそんな高いのは買えないので、あくまでもコスパを重視して構築済みでありながら比較的安価で売られているものを狙います。その際も選ぶ基準は色々です。カードのイラストがかわいいかどうか……だけで選びたい気持ちは山々なのですが試合で使う以上ある程度は勝てる見込みがあり、扱いが難しくなく、将来強化される可能性があるものが理想的です。

 学生の頃ヴァンガードやってたときは本当にこう、見た目だけでデッキを組んでは扱いにくかったり、デッキ自体が弱かったり、一度きり出て二度と強化されなかったりなどといったことがザラにありました。もう二度と、あんな悲劇は繰り返させない。そしてわたくしときたら、とにかく回すのが難しいデッキは覚えるのが大変だし、使うと疲れるのであんまり使いたくないんですよね。ひどいわがままです。要するに手札からカードを出して殴るデッキがいいということですね。ドラゴンがたくさん出てくるドラゴンエンパイアという国家はそういうデッキが多いのですが、実際わたくしはドラゴンエンパイア使ってるときが一番勝率が高かったです。

 ボードゲームやカードゲームでは何手も先にどうなるか考えながら戦う必要があります。あるいは、カードゲームでは非公開情報や不確定要素が多いため「現状の手札から導き出せる最善手は何か」を考えて臨む必要があります。ヴァンガードの場合、遊戯王ほどは色々な場所を右往左往してカードをこねくり回すソリティアのようなことはしないのですが、コストの管理や攻防を繰り広げるカードの持つパワーの数値調整、防御に必要な手札リソースの管理などが必要になります。そのためデッキによっては無暗にカードを手札から出さない方が良かったり、後々コストにするカードをキープしておいたり、効果の発動条件に気を遣ったりなど考えることが多くなります。

 考えることが多いということはワンミスで全てパァになる可能性もあるということです。これは事実かどうかはさておき、カードゲームを巡る有名な寓話として「かつてMtGの大会で、完璧なプレイングを心がけている限りほとんど無敵のパーミッションデッキを使って勝ち上がっているプレイヤーがいた。優勝は必至かと思われたが、非常に神経を使うデッキを使っていたそのプレイヤーは途中、非常に単調な動きしかしないバーンデッキに対して連戦の疲労から集中が切れ、些細なプレイングミスをした結果あっさり敗北してしまった」というものがあります。この寓話はまあ、文字通りそういうお話です。考えることが多いデッキというのはたとえ非常に強力であっても疲れるのです。カードゲームにはランダムな要素があるため、刻々と変化する盤面に対して手持ちのカードから最適解を導き出すのは脳のリソースを大変消費します。そもそもプロセッサが弱いわたくしのような人間はエラー落ちするだけです。

 ですから、まあ見た感じ動きが単調そうで、安価で、でも十分にパワーがあり、しかしピーキーな博打ではなく(NEW!)、将来的に強化も見込めるようなデッキはないか、アニメも視聴している友人によく相談したところ
「このデッキはドラゴンエンパイアだし、使用者がアニメに出てるし、比較的最近のカードだし、高いパワーが出る」
と数え役満のデッキが安価で売っていました。キミに決めた!そのデッキがこちら。

 はい。こちらは「アルグリーヴラ」というあんまし聞きなれない響きのカードを軸にしたデッキなのですが、何やらこのデッキ、盤面に並べるカードにはほぼ例外なく「過充填」という名称能力がついています。

 これがそのアルグリーヴラ本人です。カードテキストを見ている限り、何らかの治安部隊の頭目のようです。カッコイイですね。そして、「過充填」はアルグリーヴラ本人にはついていないのですが、それはどういう能力なのかと言うと「アルグリーヴラの能力の対象に選ばれた場合に」という条件で発動する能力を指しています。アルグリーヴラはコストを払えば毎ターン自分の場の3枚を対象に能力を発動でき、ファイト中一度限り下に書いてある「DivineSkill」によってさらに2枚を対象にできます。これによりアルグリーヴラ本人と選ばれたカードのパワーが爆上がりすることで耐えがたい暴力を加えるというのがこのデッキのコンセプトです。とてもわかりやすいですね。だから気に入った。特にDivineSkillは問答無用で1ダメージ与える能力であるため詰めに向いており「一度しか使えない」性質にマッチしています。使った時点で勝負を決めに行ける可能性が高いため、雑に使ってしまっても裏目に出にくいわけです。いいことずくめですね。

 まあ、買ったはいいけどもう夕方だったのですぐ飲みに行ってしまい、結局デッキ使ってないんですけどね。次回集まる機会がいつになるかわかりませんけど、それまでに練習しておくことにします……

 最近はVket巡りもそこそこにWORLD OF SOULSに行ったり本家ダークソウルをちまちまプレイしたりしていますが、その話はまたどこかで……VRChatでたまなつちゃんと握手!(?)

太陽万歳!

最近思った「星をみるひと」の話

 おはこんハロチャオ、Najikoです。

 皆さん、ゲーム、しますよね。じゃあゲーム、作りますか? と言われると、いや作りはしないかな……という人が多いと思いますが、もしゲームを作るとしたら、というとき何を考えるでしょうか。

クソゲーってなんだ?

 好きなキャラクターを出したい、好きな世界を描きたい、こんな演出がしたい……色々ありますよね。どれもきっと実現したら素晴らしい創作物になるでしょう。が、しかし。ゲームは漫画でもアニメでもありません。ゲームなのです。ゲームであるということは「それをプレイする人がいる」ということです。

 ゲームの歴史は、クソゲーの歴史とも言えます。これまでに一体いくつのクソゲーがこの世に誕生したでしょうか。それらを一つ一つ分析していくことはここではしませんが、誰もが認めるクソゲーというのにはれっきとした共通点というか、外せない特徴があります。

 それはとにかく「ストレスフルである」ということです。そしてここでいうストレスとは、ゲームの難易度の話ではありません。後述の通りバランス調整を怠っているような内容のものはともかく、難しくても良く考えて設計されているために評価の高い名作というのもありますよね。では他にストレスがたまる要素とは何なんでしょうか?

有名なクソゲー

 最近の人は知ってるかわかりませんけど、歴史に残るクソゲーとして名高いゲームの一つにファミコンの「星をみるひと」があります。このゲーム、当時にしては非常に珍しいSFもののRPGで、BGMなんかもなかなか良く、斬新な世界観に惹かれる部分はあるのですが……なぜ「良い題材」がクソゲーの王の一柱として数えられてしまったのでしょうか。それはとにかく、設計と仕様がめちゃくちゃだったからです。具体的に例を挙げてみますが、以下はその一部に過ぎません。

・とにかく不親切
プレイヤーはゲーム開始直後何のアナウンスもなくフィールドに放り出されます。すぐ近くに村があるのですが、この村は隠されておりなんとフィールドにグラフィックが表示されていません。「外部からの襲撃を避けるためサイキッカーたちによって隠されている」という理にかなった設定はあるのですがプレイヤーからすればそんなことは知ったこっちゃありません。最初の村なんですから……

・理不尽な難易度
さっきストレスは難易度の話ではないと書きましたがゲームバランスが崩壊しているような「理不尽さ」になると、それはデザイン上の問題になりますので話が別です。このゲーム、最初の村付近でいきなり超強敵が出現して成すすべもなく死ぬことが多々あります。その他にも作り込みの粗末さによって攻略を阻むような要素が無限に存在します。

・不可解な仕様
選んだコマンドがキャンセルできない、HPの下一桁が表示されない(例:50~59の場合5と表示される)、すばやさのステータスはあるのに行動順が固定されている、「逃げる」コマンドがない、武器は購入時に装備され買い直さないと外せない、弱い武器を買うと0ダメージを連発する(素手だとなぜか最低でも0~3ダメージ出る)、マップの接続がおかしい、フィールドでの移動が異常に遅い、などなどここではとても挙げきれないひどい仕様が山のようにあります。

 ここまで豪華絢爛なクソ仕様がずらっと並び立っているゲームはおそらく歴史上でも稀でしょう。本来であれば上に挙げた仕様、あるいはバグ、または不具合……プレイヤーからすればみんな一緒なんですけどそのいずれか1つでもゲームの評価を大きく下げる要因になり得るような内容ですからね。そして厄介な(?)ことにこのゲーム、クリア自体は可能なのです。「チーターマン」のように未完成であったり、バグで進行不能になることが避けられないわけではない(進行不能に陥ること自体はありますが)のです。ただ当然ストレス要因と不可解さのオンパレードのためクリアしただけでゲームのやり込み雑誌に名前が載ったとかなんとか……

クソゲーのもったいなさ

 結局何が言いたいかというと、このようなゲームを進んで最後までプレイしたいという人は一部のクソゲーマニアに限られるのではないでしょうかということです。おそらく少なめに見積もっても半分くらいのプレイヤーは最初の村に入る前にやめてしまうでしょう。しかし、もちろんこのゲームにはいいところもあって、プレイヤーキャラは途中で最大4人まで増えるし、それぞれESPと呼ばれるサイキックの技を習得するという普通に作られている部分に加え、戦闘中は画面の下にプレイヤーキャラクターのグラフィックが表示されるのですが、それがキャラのレベルに応じて何段階か成長する(幼い姿だったのが少し凛々しい少年少女になる)とか、戦闘BGMもゲームの進行度合いで変わったり、あとは後にかの名作MOTHERで同じようなシステムがありましたが、テレパシーを使ってNPCの本音を聞き取るなど、やった人にしか体験できない魅力的な要素もあるのです。

 ゲームを作る側の視点に立てば、そうした魅力的な要素というのはプレイヤーに体験してほしい要素に他なりません。あるいは不出来な要素も、意図としては「楽しんでもらえると思っていた」仕様だったのかも知れません。ただこうした魅力や意図が壊滅的なユーザーエクスペリエンスを最終的にプラスに持って行ってくれるかと言われると疑問が残ります。だってせっかく魅力的な要素があるのに、プレイヤーの何割か、あるいは大半はストレスフルな要素によってふるいにかけられ、楽しむことなく去っていってしまうわけですからね。あとに残るのは痛みに耐えて最後まで頑張ろうとする人たちと痛みが好きな人だけです。けどそれも途中で挫折してしまうかもしれないし、最後まで頑張ったけど「総合的にはストレスの方が多かった」という評価になってもなんら不思議ではありません。こうして選ばれし者だけが「最後までやった甲斐があった」「いい痛みだった」という評価をくれるわけですが、そんな「たけしの挑戦状1」みたいなゲームをあえて作ろうとすることは普通はないですよね。普通は。

あなたはクソゲーを作りたいか

 では最初の疑問に立ち返ってみましょう。あなたはゲームを作るなら、どんなゲームにしたいでしょうか。魅力的なキャラクター、壮大な構想の世界観……これをゲームをプレイした人みんなに楽しんでもらいたい、没入感のある体験をしてほしい、と思ったら重要視するべきは何でしょうか。快適なゲーム性なんじゃないかとわたくしは思います。

 もちろん、そりゃ言うは易しという話でしょうけど、ゲーム作りをしてる人は誰しも「どうやったらストレスなくゲームを楽しんでもらえるか」を考えるはずだし、結局のところキャラクターや世界観はゲーム全体から見ればそれを盛り上げるエッセンスでしかないわけです。例えば世界観100点、ゲーム性10点のゲームAと世界観10点、ゲーム性100点のゲームBだったら「ゲームとして」プレイしたいのはどっちでしょうか。まあ、Bですよね。逆にこれら2つのゲームをノベライズしたとき、読みたいのはどっちかと言われればAの内容でしょうが……

 さて、ここでゲームAがもう少し色々な人にこのゲームの内容を体験してほしい、感動を味わってほしい、と思ったらやるべきことは何でしょうか。そう、10点のゲーム性を30点にでも上げればそれで十分ではないでしょうか。50点くらいまで行けばもう立派に「ゲーム自体はよくあるシステムだけどシナリオは最高だ」という評価を得られるでしょう。しかし、ここでゲーム性を10点のまま世界観を150点、200点にしたところでユーザーの体験はほとんど向上しないでしょう。そうしたら言われるのは「ゲームじゃなくて小説で出せよ」あたりです。まあ実際、昔のゲームで映画やアニメ原作のキャラゲーに名作なし、と言われてますけど、それが全てを物語っています。題材が良くてもゲームが面白くないと何も伝わらないのです。

終わりに

 実は「星をみるひと」は2020年にSwitch版が出ており、こちらはクイックセーブや移動速度アップ、巻き戻し、ニューゲーム時にレベルとお金を任意の値に設定できる、など遊びやすい機能が追加されています。これらの機能が追加されることになったのがどういうことを意味するかは上記の通りです。もしこのゲームがフルグラフィックチェンジ、フルボイスでリメイクされたとして、上に挙げたような数々の仕様を完全再現したとてもまともに遊べないゲームだったらどうなるでしょうね。きっとクソゲーハンターは喜んでくれると思います。しかし、現実は「快適機能の追加」が「答え」だったわけですね。まあ、わたくしはゲーム作る人ではないんですけど……色々考えちゃうよなぁ、というお話でした。

  1. これもファミコンのゲームで不可解な仕様が多数あるゲームですが、これは明確に意図した理不尽仕様が多数含まれています。つまり最初からそういうゲームデザインという非常に稀な例です。 ↩︎

結局サマーフレア作戦ってなんなん?

 Najikoです。今日はあのPROJECT:SUMMER FLARE、通称PSFについて書いていきます。あくまでもワールドを一度遊んだ人向けの記事なのでネタバレを踏みたくない方は何らかの方法で体験してから読んでください。

https://twitter.com/y23586/status/1439535268583804928

 2021年公開のこのワールド、近頃色々あって再注目されていますが……当時から現在に至るまでやったはいいけど結局どういうストーリーだったの? という声をよく聞きます。実はこのワールド、完走しても正確なストーリーの流れがちょっと伺い知れない部分があるので、それも無理はない感じです。

https://booth.pm/ja/items/3543608

 ワールド作者であるヨツミフレーム氏のboothではいわゆる設定資料集にあたる「サマーフレア作戦概略」が公開されており、これを読めばどういう経緯かが全部書かれているのですが、かなりのボリュームですので、ワールドを一度駆け抜けたことがある人向けにささっと読めばわかる程度にその内容を含めてかいつまんで解説してみたいと思います。

前提

 まず、前提としてPSFで起こる出来事は「我々が生きる現実の時間の延長線上にある未来」であり、フィクションの「どっかの地球」として描かれているものではありません。そして、この「サマーフレア作戦」の始まりにはある重要な概念が絡んできます。それが「メリディアンループ」です。ここで、ワールド説明文にもなっているキャッチフレーズを見てみましょう。

夏を壊せ。 BREAK THE SUMMER

言葉を壊せ。 BREAK THE TOWER

世界を前に進めるために。 COMPLETE THE MERIDIAN LOOP

メリディアンループって何?

 これが多分ストーリーを理解するうえで一番大事な概念になるのですが、確かワールド内では説明がなかったと思います。メリディアンループとはめちゃくちゃ簡単に言うと、「過去に向けて信号を飛ばす技術」である「メリディアンフレア」という現象が成立する際に発生するループのことです。「なんかわずかではあるけど過去に向けて信号が飛ばせるぞ」ということが発見されたのが2112年のこと。だけど考えてみてください。過去に向けて信号(情報)を飛ばせるということは、タイムパラドックス1が起きてしまう可能性がありますね(作中で言われているように、PSFに並行世界はありません。つまりシュタゲではなくドラえもん時空が正解ということなので、過去を変えちゃうとタイムパラドックスが起きる可能性があります)しかし、実はこのメリディアンフレア、一方通行ではないのです。実はこの現象には「メリディアンフレアを受信した=これから受信したのと同じ信号を過去に向かって飛ばさなければいけない」という絶対の法則があります。つまり、受信側の視点に立って言えば「今私が未来からの信号を受信したのは、これから過去に向けて同じ信号を飛ばすからだ」ということです。でもこれよく見るとループしてない? ということに気がつきます。これこそが「メリディアンループ」です。それを完成させろ、とはつまりこの場合「2141年から過去に向けて信号を飛ばせ」ということになります。

ループを完成させるには?

 まず上の説明を踏まえると、「未来の2141年から過去(ここでは2019年)に向かって信号を飛ばさなければいけない理由」が明らかになります。そう、「誰かが2019年に、2141年からある信号を受信したから」です。そして、ここで受信した「誰か」はほかならぬワールド作者であるヨツミフレーム氏、そして受信した内容は「サマーフレア作戦の概要」だったということです。はい、ここで「運命」が決定づけられました。ヨツミフレーム氏視点でこの現象を見ると「サマーフレア作戦の概要が未来である2141年から送られてきたということは、2141年に誰かが同じ内容を2019年の自分に送ってくるようにしなければいけない」ということになるわけです。さあ大変。こうして、遠い未来でループを成立させるためにヨツミフレーム氏は「運命」に従って「PROJECT:SUMMER FLARE」を完成させ世に送り出したのでした。なぜゲームにしなければいけなかったのかは後述します。

未来はどうなってるの?

 ここでちょっと視点を変えて、未来ってどうなってるんだっけ? ということを思い出してみましょう。これは作中でも十分に描写されている部分で、まず2141年の地球は色々あって瓦礫まみれの氷河期となっています(ブラックウィンターと呼ばれています)。で、そんなだから物資も足りないし復興も大変だし……でも人類にはVRがあります。そうだ、つらいことは最小限にするためにVRの世界で暮らしましょう。物資が必要な娯楽はVRで置き換えられて節約になるしみんなハッピーでしょ。という思想がめちゃくちゃに強くなってしまった結果、「誰も自分やみんながゴーグルをつけてると認識できないし、VR内の物は現実と区別がつかない(というか非現実のものと認識できない)」という世界が出来上がってしまいました(サテライトアセンション。2116年の出来事)そのゴーグルを作った会社が「サテライト」です。で、サテライトは最終的に、この誰もVRやってることに気づけない「サテライトリアリティ」に逆らうやつは皆殺し、さらには「VR上の出来事」と「現実」の矛盾を現実改変的なパワーで埋め合わせてしまうというトンデモ現象を起こすようになりました。これが”狂気”の正体です。でもこれでは緩やかに人類は絶滅していくだけです。だって見えてるのは「夏」でも本当は寒いし、お腹いっぱいなはずだけど実は何も食べてない……なんて”狂気”でごまかせないような危険にも誰も気づけないんですから……それで、こりゃさすがにまずいぞ、とサテライトに対抗するために密かに組織されていたのがLC……即ちLunatic Control。狂気を以て狂気を御する組織です。

誰によるどういう作戦なのか?

 この作戦を立案したのはFASです。FASは2081年に稼働開始したAIですが、脱走してインターネット内を放浪していました。それがサテライトアセンションが起こった後、LCにあるメッセージを送ってきます。「2010年代のインターネットの記録にLCのロゴがあったり、2020年代に『サテライトに侵入するゲーム』があったんだけど……」と、まあこれだけなら「なんやねんお前」という話ですが、そう、ここであの「メリディアンループ」の登場です。「なんとこのゲーム、ラストにメリディアンフレア現象で過去に向かって信号を送ってるんです2……もしかしてこの通りの手順で行けばサテライトを停止させられるんじゃない?」と。はい、これでサマーフレア作戦が発足しました。LCは2020年代のゲームの情報をかき集めて、それと同じ手順を実行する運命兵器「M8PR/6」を製造。M8PR/6は2020年代に遊ばれていたゲーム……そうです。我々が遊んだ「PROJECT:SUMMER FLARE」のプレイ動画などを元にその通り作戦を決行。我々が体験したように、サテライトを停止させます。ここで作戦完了、といきたいところですが、この作戦はサテライトを停止させておしまいではありません。最後にLCは絶対にやらなければならないことがあります。それが「PROJECT:SUMMER FLAREが2021年に完成するように、過去にメッセージを飛ばすこと」

夏を壊せ。 BREAK THE SUMMER

言葉を壊せ。 BREAK THE TOWER

世界を前に進めるために。 COMPLETE THE MERIDIAN LOOP

はい、我々は「最初の一文だけ」は実際に打ち込みましたよね。こうして2141年、月の基地から2019年のヨツミフレーム氏にPSFのことが知らされることになりました。そして、「FASが2020年代に存在したゲームの情報からサテライトに侵入する手順を知った」という経緯に則してヨツミフレーム氏はその通りの内容でVRChatのワールド「PROJECT:SUMMER FLARE」を作成、公開します。これを以て「メリディアンループ」が完成するというわけです。

まとめ

図にすると多分こんな感じです。3

※追記:難しいポイントなのですが、並行世界が存在しない以上一通りの運命しか存在しえないというメリディアンループの性質に鑑みれば、2019年にヨツミフレーム氏がPSFの概略を未来から知らされた時点でメリディアンループが完成する(=現実のPSFが成功する)という運命は確定しているということになります。

 ……以上です。すごくざっくりとした解説になりましたがこれを踏まえてもう一度PSFを遊んでみると、「あー、なるほどそういうことね」となるかも知れません。それでは「あの夏の日で」もう一度お会いしましょう。

初めて壊した夏。白飛びしています。

  1. 過去を変えたせいで未来が変わってしまい、物事に矛盾が起こること。メリディアンフレアは過去に信号を飛ばせるが、信号を受信できるのは「未来で同じ信号を過去に送った」という事実が成立している場合だけという覆らない法則があり、タイムパラドックスは起こらないとされている。FASの「蝶の羽ばたきは最初からこの世界に組み込まれていて」というセリフはこのことを指している。 ↩︎
  2. なお、発見当時100ns程度の過去にしか送信できないと思われていたメリディアンフレアを最終的に百何十年も過去に飛ばせるようなアルゴリズムを考案したのもFASである。最終的にLCは2135年から1977年という158年に及ぶ長さのメリディアンループを成立させているが、1977年には現実でオハイオ州立大学のジェリー・R・エーマンが、ビッグイヤー電波望遠鏡で受信した「Wow! シグナル」という電波信号があり、現在も起源が解明されていない。 ↩︎
  3. ブラックウィンターについては何年にどうやって起きたかわからないので図に載せていない。 ↩︎

Najikoの東京紀行/Day1

 おはこんハロチャオ、Najikoです。

 今年も東京に行って参りました。

 もうなんか長大なレポ日記になるのでこれだけ読んでもらえればいいように先に一番読んでほしいこと書いちゃいますけど、みなさん本当にありがとうございました。

 現地で会った方もいれば、当日はお会いできなかった方や都合で来られなかった方も含めて、日頃VRCを含むインターネットで繋がっている人々の現実側の様子を垣間見て、本当に日頃楽しみを持って生活できているのはお世話になっているみなさんのお陰なんだな……と改めて実感することができました。感謝感謝です。それだけでも東京まで足を運んでよかったと思えます。

 さて、それはそれとしてここから細かくレポしていきましょう。基本的にオールノープランでゆく東京旅行、目当てはvketリアル2024summerだったわけですが、フレンドのベティさんの家に泊めてもらうのをいいことにそれ以外本当に何も決めちゃいないという有様だったのですが、わたくしは元々ノープランで放浪するのが結構好きなのです。

 世の中には全てのプランをきっちりと設定した上で効率よく観光を行うことを是とする人もいるし、それは達成できれば最大多数の満足感を得られるかも知れませんが、わたくしにとっては好き勝手に時間を使うことの方が価値があります。

 まず初日は早朝から移動ばっかりだったんですけど、4時台に起きて車を走らせ、親戚の家に車を置いて電車で空港まで行き、すぐに搭乗……なのですがいやあのですね、聞いてないですよ。ベルトのバックルが金属探知機に引っかかるなんて……確かに金属だけどもさ……

 出鼻をくじかれつつ飛行機で成田へ。飛行機なんて本当に一年に往復1回分しか乗らないからなんか緊張しますよね。しかも飛行機が飛んでる間ネットが使えないからヒマでヒマで……え、本ですか? 荷物が7kgまでしか飛行機に積めないので今年は持ってきてないんですよ……なんせ4泊もしますからね。もう本来は素直に手荷物以外にキャリーバッグ積むプランにしておくべきなんですがあくまでも貧乏旅行なので、必要最低限のものしか持って行きません。1泊のときは持ち歩く余裕があったQuest2も今回はお留守番です。

 まあ去年もそうだったんですけど、成田空港のゲートから一歩出た瞬間からもう暑い。本当にわたくしはこれから5日間生き延びられるのだろうか、このポストアポカリプス夏を……と思いましたが、もはや覚悟を決めるしかありません。速やかに高速バスのチケットを買い東京駅へ。機械の売り場で買うより人間から買った方がどちらからバスに乗れるか聞けるのでおススメです。この高速バスは頻回に来るし電車のように指定席代を取られることもないため非常に助かる……のですが、いざ乗るとあまり想定してなかった渋滞に巻き込まれ、長時間乗ってるうちに乗り物酔いが起きてしまいました。普段VRCでは何をどうやったってもはやVR酔いなどしないんですけど、情けないですね……そんなこんなでディズニーランドを横目に高速を通過していよいよ東京に到着です。まあ、ちょっとくらい酔っても降りてしまえばすぐよくなるので別に問題ないのですが、さてここからが東京フリーランの開幕です。もうね、既にここまでの移動だけで7時間くらいかかってるんですけど、まだ始まったばかりですからね。疲れてるわけにはいきません。

 ノープランとはいえ一応努力目標というか、行けたら行きたい場所はいくつかありました。その一つがアメ横。東京からわずか3駅の御徒町駅からすぐ行けるので地下をウロウロしながら路線を探し、電車に乗って行きました。普段交通系電子マネーは全然使わないんですけど、このときばかりは2018年に定期が切れて以来所持しっぱなしのKitacaが役に立ちます。Suicaではありません。Kitacaです。後々都内のコンビニで2回も「Kitacaで」って言ってしまいましたけど、知らんよな、そりゃな……すみませんでした。

 アメ横は入り口もわかりやすく、夏休みだからなのかものすごい人の流れでした。アメ横に何をしにきたかといえば、怪しいお店を見物したかったんですよね。わたくし、お祭りのときに出店するような意味わからん安さの時計たくさん売ってるお店とか大好きなんですよ。アメ横に行けばそんなところがいっぱいあって、偽ブランド品とかも出回ってるんだろうなぁと思っていたのですが……ないね、思ったより全然。みんなちゃんとやってる。強いて言えば生鮮食品ここで買うのはちょっとな、と思うくらいです。値段もまあ観光者向けってことで普通に高いし、確かに外人が山ほど行き来していました。そんなアメ横で最初に購入したのがこちら。

 キューピーコーワヒーリング。アホちゃう? と思われた方、正解ではあるのですが、旅行中毎日寝る前にこれ飲んでたしマジで疲れ取れますからね、おススメの魔じゃない剤です。ここで買うものかと言われるとアレですけど、せっかく薬局あるし多少はね? まあ6kg弱あるデカいカバン下げて歩いてるせいで爆買いしてる中国人に間違われてめちゃ中国語で話しかけられそうになりましたけどね。ちゃうねん、貧乏な日本人やねん。しかも店員が中国人なんかい! もう意味がわかりません。でも魔じゃない剤、ゲットです。普通に定価。

 次にわたくしが求めたのは帽子。この炎天下に帽子なしで何日も行脚するのはちと危険です。髪が帽子みたく多いわたくしにはやや不要気味っちゃ不要気味なのですが、ほら、あった方がオシャレじゃない? いいわよね、最近バケットハットみたいの流行ってますし。帽子売ってる店もね、いくつかありますからね。どれどれ……高い!! なんで? 靴とかTシャツ投げ売りしてるようなところでも帽子だけはきちっと高い。しかも特段オシャレ極まってるような感じでもない。ぐぬぬ……ん? そういえば、アメ横の入り口付近にドンキがあったような……そうだ、ドンキへ行こう!

 アメ横に来て薬局で栄養剤を定価で買い、わざわざドンキに入るという常識では考えられない行動を取る異常人物の爆誕です。でもドンキならリーズナブルな値段で帽子も売っていることでしょう。涼も取れますし。実を言うとわたくし、初日はユニクロのTシャツを着ていたのですが、普段しまむらのペラペラ綿100%シャツばかり着ていたのが裏目に出たのか、やや厚みがあり化繊の混じったユニクロのシャツは汗かいたらビチャビチャのままなかなか乾かないということに初めて気づき始めていました。これ以上歩いていたらシャツじゃぶじゃぶ人間になってしまいますからもう仕方ありません。どれどれ……帽子、売ってますね。……高い!! いや別に……高くはないんでしょうけどなんかもうちょいこう……お手頃感あるかなと思ったら全然だったのでショックでした。こうなれば次善の策です。サングラスを買おう。実は目から入る紫外線ってかなり体に悪いらしいので、真夏の日差しからお目目を保護したいですよね。もちろんドンキにはサングラスが売っています。……うん、やっぱまあまあするな……いやもうね、渋ってる場合じゃあないんですよね。必要経費ですから、これは。でもわたくし、眼鏡全然似合わないんですよね。なるべく高すぎず、紫外線はちゃんとカットできて、見えやすく、見てくれが比較的マシに見えるやつを選びたいな……お、これは偏光グラス(紫外線を浴びると色が変わる)か……面白いですね。あ、でもな、ちょっと丸型のレンズの方が……いややっぱりちょっと値が張るな……などとやっている間にサングラスを置いてある場所で数十分が経過。本当に何しに来たんだろうか。けどやっとわたくしのお眼鏡にかなう色眼鏡を選び取りました。結局偏光グラスでもなんでもない2000円ちょいのやつな! それだけ買って、タグ切ってもらって装着して退店。せっかくだからもうちょい粘って色々見てからご飯でも食べよう、と思い立ちます。しかしまあ、サングラスはすぐに必要な買い物だったことが感じられました。レンズの色は薄いのですが、とにかく信じられないくらい強い日差しが降り注いでいるのでですね……

 その後、結局特に帽子もなく、変な時計や偽ブランド品も眺めることなく、せめてなんか食べて行ったのかというと、なんとわたくしは何も食べず、セブンイレブンで108円の烏龍茶を手にしてアメ横を後にしました。え、なんでって? アメ横の露店、外人がやってるとこばっかりだからなんか一人で入るの怖いじゃないですか。それに、既にお金ちょっと使ってますからね。水分は生存のため定期的に摂りますけど、昼は節約してよいのでは……というもはや旅行とは一体なんだったのかの精神。さらばアメ横。

無駄に何度も通ったアメ横の入り口

 アメ横から出ると目の前には上野駅が。そういえば、上野といえば上野動物園がありますよね。せっかくだから行ってみま……暑い!!

 もう汗だくです。しかもよく考えると日焼け止め塗り忘れてるし、ここまで重い荷物を持ったままほとんど座れていません。上野駅から上野公園に向かう途中でちょっと座って休憩しつつ日焼け止めを塗り、再度歩いて行きます。上野動物園に行く目当てはもちろんパンダ。なにせ全国でも数えるほどしか見られる場所がありませんから、この機会を逃す手はありません。炎天下でも我慢して歩いて行く価値が、十分に……遠いな……いや当然なのです。客寄せパンダと言うように、皆パンダ目当てで行くんですから入り口付近にパンダを置いたりしたら皆中まで見ないで帰ってしまいます。だから仕方ないと自分に言い聞かせ歩いた結果、1分だけパンダのレイレイを見ることができました。そのときの写真がこちら。

たぶんレイレイ

 泣いていいかな? いやあのですね、ガラスの反射で映り込みがひどくて全然写真撮れなかったんですよね……かなしみ。けど肉眼でしっかり見ましたから、まあいいでしょう。ここであとはお土産でも……あ、帽子が売ってますね。双子のパンダをあしらったグリーンのオシャレな帽子が。どれどれ……高……いやでもアメ横で見た何の変哲もない帽子よりはむしろ安いな……買うか……

 はい、帽子をゲット。これにてついに、汗だくでビチャビチャのTシャツを着てスポーツバッグを担ぎながらマスクにサングラスに双子のパンダの帽子を被って練り歩く究極完全態不審者の完成です。東京では最後までこのいでたちでした。なんなんだ本当に。

不審者セット

 パンダは上手く撮れませんでしたが、他にもマヌルネコなど珍しい動物を見てそちらはまあまあ上手く撮れました。ヤッタネ。

じゃれ合うマヌルネコの赤ちゃん

 そろそろベティさんも仕事が済んで、新宿あたりで待ち合わせかな? というところで「わたくし今上野動物園にいるんですよね」という意味不明の宣言をし、結局ベティさんを上野に呼びつけるハメに。本当に、申し訳ない。しかも迎えに行ったら究極完全態不審者が手を振ってるんですから始末に終えません。わたくしはわたくしでパンダがいる公園の最奥から上野駅に戻るのにまだかなり歩くことになり、余計な体力を使いました。ノープランの悪いところを十全に発揮しています。まあなんとかベティさんとも合流したのであとは新宿に行き、ちょっとケバブ食べたり本来まだ行く必要もないHUBで0次会のさらに前、-1次会くらいフライングして楽しく酒を飲み、昼に節約した分を取り戻しました。

いない人の名刺を置きすぎ

 あとはベティさんの家に転がり込み初日は終了です。ただ、駅からベティさんの家まで結構坂が多くて、6kg弱の荷物を長大な時間に渡って抱え続けてきたわたくしはもはや全ての体力を使い果たしていました。この日の歩数は旅行中最多の24455歩。いやvketリアルは2日後ですけど、なんで初日から全ての力を出し切ってるんですかね? わ、わかんないっピ……ともあれ初日は無事終了です。この調子で残りの日もレポ書いて行きますからね、思い出を……細かく残したいから……ではDAY2でお会いしましょう。

なんにもできやしない

 おはこん以下略Najikoです。
おはこんハロチャオ、もっと流行ると思ったんですけど意外と使ってる人見たことないですよね。どうしてだろうか。わたくしがナンジャモを好きだからそんなことを気にするんでしょうか。嗚呼、せめてこんな小さな恋心の虚像を、食器棚の隅っこに飾って眺めるような人生を送っていきたいですね。何がだ?
 

 人と話すとき、話題に挙げることは人それぞれ。雑談にも色々ありますけど、人間は無意識のうちに「実は私こんな優秀なことがありまして」とマウントを取ってしまいがちなものではないでしょうか。それは別に悪いことではないと思いますし、そういう話を気持ちよく聞いてもらえることはストレスの発散や信頼の形成に役立つものです。ただ、わたくしに関しては職場やプライベートの様々なところでそんな話を聞いていながらふと「いいなぁ」とか「なんでわたくしにはそういうこと一つもないんだろうなぁ」と、ぼんやりとした痛みを感じることがあります。笑顔で「えー、すごいですね」「よくそこまでやりましたね!」などと言いながら内心では「あー、みんなはきっと、何もない人間の気持ちは想像すらしたことないんだろうなぁ」と、特に意味もない被害者ポジション思想に耽っているのです。


 人間向き不向きってありますよね。ご存じですか? ご存じですね。日本の学校教育ではなんでもかんでもとりあえずやらせてくるので、わたくしのように体育壊滅カスカス貧弱オタクはそこで大人になるまでに徹底的に自尊心をボロクソにされることはよく知られていますが、実際のところ身の周りにわたくしほど体育に強い憎しみを覚えるほどのカスさを発揮した人間がほとんどいないため思いのほか共感を得られない部分です。
 小学校の低学年か中学年くらいの頃でしたかね、ガキのやることといえば外に出ておにごっこあたりと相場が決まっているものですが、足の遅さに関して学年でも下から数えて一桁くらいだったわたくしはそんなことはしたくないので文句を言っていると、「お前の足が遅いの俺のせいじゃないし」と言われたのをよく覚えています。彼の言うことは100%正しい。わたくしは文句を言うべきじゃないし、やりたくなきゃ図書室に籠って本でも読んでた方がもっとマシな人間に育ったのでしょうが、ガキの頃のわたくしは今よりもさらに輪をかけてアホだったので積極的に孤独を選択するより友達との付き合いを優先し、痛みだけを蓄積させていった記憶があります。


 まあ、普通それだけ運動がカスなら異様に頭がいいとか、ゲームがすごく上手いとか、手先がめちゃくちゃ器用とか、何か一つくらいそんなものがあってもよさそうなものですが残酷なことに、天は二物どころか一物も与えてくれないこともザラなもので、わたくしは学業成績は並(まあ勉強大嫌いだから勉強してないせいなんですが)、あとは軒並み体育と同じくらいカスでした。
 痛みの記憶を掘り返せば枚挙に暇がありません。低学年の頃の図工の授業で、先生から借りたアラビックヤマトをベロベロにしてしこたま怒鳴られたことをよく覚えていますし、竹ひごを曲げて籠を編んだときは鳥の巣の方がもうちょっと綺麗にできてるようなレベルでした。友達の家に集まってゲームで対戦したときは勝った試しがありません。スマブラとか。体育や図工と違ってゲームは今でもやるのでこれは同じ痛みを感じ続ける部分でもあります。

 おまけに要領が悪く、ルールを覚えるのが下手、優先順位は決められないしなんでも後回しにしてしまうし……生き恥しか晒していません。子供の頃の自分と会話する機会があるなら「お前は何が楽しくて生きてるんだ」と聞いてみたいくらいです。まあ自分自身に問いかけてみたところでせいぜい、目先のゲームの攻略くらいしか楽しみなんてなかったでしょうけどね。
 せいぜい、一つだけ得意なことがあるとしたらこうして作文をすることくらいです。これ以外に(しょうもない)マウントを取れることなど何一つありません。中学生くらいの頃には自分が周りの人間より苦も無く文章を書くことができることに気づき、高校では半分しか読んでない本の読書感想文で佳作を取り、大学では論述作文の講義で「書けたら退出していい」という回で他のわたくしよりも優秀なゼミ生を差し置いてさっさと書いて出てきました。今の職場でもまあ、基本的に仕事ぶりは要領が悪いためカスなんですけど、文書の作成についてだけはわたくしの右に出る者がいません。これは唯一管理職にもお墨付きをもらっている部分です。まあ、文書を作成するのが主な業務ではないのでそれほど役には立たないんですが……いずれにせよつまらない話です。こんな機会がなければ人にしようとも思わないでしょう。

 職場に、作文が苦手な人が何人かいます。特に、そのうちの一人のおばちゃんはわたくしであれば会議中に最後まで書き上げているような議事録に何日も費やし、おびただしい量の修正点を指摘されて返されていますが、わたくしは別にそのおばちゃんが悪いとは全く思っていません。別に作文なんて、苦手な人にやらせる必要はないのです。今ならAIにでも頼んだ方がよっぽどいいでしょう。でも大抵、学校にせよ職場にせよそういう人って「なんでできないんだ」「みんなやってるだろ」って詰められてしまうんですよね。わたくしも作文以外のことについてはそうだから、とてもつらいし、人にはそういうこと言わないようにしています。今は時間に余裕がないからおいそれとはいかないですけど、おばちゃんのゴーストライターをして決裁を通したこともあります。別にそれでいいと思うんです。得意なやつが好き好んでやれば効率よく終わるんですから。
 けれど現実には、度を越した音痴の人でもカラオケにつき合わなければならないように、みんなやってるからと苦手なことに参加しなければならないようなことはよくあるものです。わたくしは音痴とは無縁ですがカラオケは行きたくないです。理由は簡単、「上手に歌えないから」。これを言うと誰もが「カラオケなんて上手に歌えなくたっていいんですよ」「みんな好きに歌ってればいいんだから」と言いますが、そんなことはわかっているのです。わたくしはただ「恥を晒したくない」のです。

 なんにもできやしない、なんにも他人に比べて秀でていないわたくしは失敗を嫌い、敗北を嫌い、恥を晒すことを嫌い、言葉には出さなくともなんとなく細かい部分で優位に立とうとしたり……そうすることでしか自尊心を守れない人間になってしまったような気がします。努力も嫌いですけど、それは良くないなと思っても「どうせできるわけないし」と思うことが大体本当にできるわけなかったことしかないのでどうしようもありません。最近でもゲームに負けそうになるとすぐ文句言いますけど、人より劣っている部分が数字で顕在化するのを心の底から屈辱に思っているが故なんだと思います。この世の大多数の人は「そんなゲームくらいで」と思うようなことでもわたくしにとっては無能の証明なのですから、大なり小なり痛いものは痛いのです。

 これはアイコンにもしている旧Vroidのわたくし。いつもわたくしがアップロードしたOneRoomワールドの片隅で寝っ転がっています。

たまなつちゃんの話ばっかりしていると思われがちなわたくしですが、このアイコンの「Najiko」は結構気に入っているアバターです。

飾り気もなければ特に面白みもない「量産人類」って感じの見た目が、無個性なわたくしにはよく似合っていると思うからです。けどまあ、Vroidである以上最低限の美少女ではあるので、余計にこう、「市民権だけ持ってるモブ」感がマッチしてて愛着が湧きます。

 あーあ、なんか……生きづらいね……働いてるのに家庭の事情でめちゃくちゃ貧乏だし……それでもただ「五体満足であること」と「友人に恵まれていること」にだけは感謝を忘れないようにして生きていくべきなんだと思います。別に金持ちになりたいとか、恋人がほしいとか、才能が欲しいとか……そんなこと「考えちゃいけない」ってことです。無理なもんは無理なんですから。いいじゃないですか、時々こんなことブログに書かないとやってられないってだけの話です……わざわざ読んでくれた方には感謝申し上げます。ジュースを奢ってあげよう。さ、こんな辛い現実のことは忘れて、酒飲んでVRChatで遊びましょうね……

Najikoの食わず嫌い巨乳選手権

 皆さんおはこんハロチャオです。Najikoです。

 貧乳キチガイとして知られているこのわたくし。デカい胸を見るや1680万色のナイフや偽・デュランダル、果てはエクスカリバーまで持ち出して切り落とそうとするヤバい奴だとお思いの方はいまだに多いでしょうが、以前記事にしたようにわたくしは「別に見せて欲しくないときに巨乳を見せつけられるのが嫌い」なのであって「巨乳が憎い」わけではありません。
 きっとわたくしをご存知の方があるキャラクターを見たとき、同時にわたくしの好みを想起したらこう思うでしょう。「このキャラは胸がないからNajikoさん好きそうだな」「このキャラは巨乳だからNajikoさんは怒り狂うだろうな」と。ええ、ええ。その読みは多分正しいと思います。でもわたくしは全ての貧乳キャラが好きなわけでもないし、全ての巨乳キャラが嫌いなわけでもありません。何事にも例外はあるのです。でもその例外は何によって起こるのか? 自己分析をしてみたいと思います。

 しかし、その前に一つ「巨乳とは何か」という哲学的な問いに対して答えを出しておく必要があります。まあ、わたくしから言わせれば無乳でない全ての乳は「巨」なのですがそれを言い出すとあんまりにもあんまりなのでもう少し、なんというかこう……誰が見ても文句を言わない巨乳を対象にしようと思います。まあ、「俺から言わせれば超乳未満は全部貧乳だぜ」という逆わたくしみたいな別のカテゴリの狂人の目はあらかじめくりぬいておくとして、わたくしが考える巨乳の定義とはこうです。
「年齢相応の成長度合いを超えた胸の膨らみが描写されている状態」
はい。これでもまあまあふわっとしてはいるのですが、考えてみれば当たり前のことです。20代のお姉さんキャラがぺったんこならそれは貧乳でしょうが、20代のお姉さん相応の身長で相応のバストをしていたらそれは巨乳なのか? 答えはノーです。ただしその基準は完全にわたくしの主観で行います。なのでちょっと「これを巨乳って言うか?」というお叱りは受けそうな気もしないでもないですけど、そこはある程度勘案するので許してください。大体わたくしの自己分析なんだから口出しされる謂れもないんですけどね。

 で、何をすればいいのか?簡単です。わたくしが好きな巨乳キャラを列挙し、その特徴に共通の何かを見出せばいいのです。では主に古今東西のソシャゲのキャラを中心に思いついた順に勝手に始めていきます。

・タマモキャット(FGO)

昼休み酒池肉林


先発はFGOよりタマキャ。このお方は問答無用で巨乳でしょう。ですが不思議と全く嫌悪感を感じません。どうしてでしょう。まあこの人、胸がどうとか以前に存在が面白すぎるので全くそれどころではない感じはあります。登場箇所のシナリオライターによって言語が通じたり通じなかったりしてたり、なんか割と普通にコミュニケーション取れてるなと思ったらやることなすこと面白い。でもご主人のことはしっかり守ってくれるし言動からは信じられないくらい賢いし……そして何よりかわいい。こんな知り合いがいたら人生面白いでしょうね。そんなタマキャがわたくしは大好きなのであるな。本当になんなんだろうこの人。

・大和(艦これ)

胸のポッチは弾頭だという話も


これはいきなりですがちょっと例外というか、大和の場合元ネタが元ネタだけに「どう考えても小さくされるわけがない」というところでの蓋然性に依るところが大きいですね。わたくし、実は元々綺麗なお姉さん系のキャラは結構好みなんですけど普通ここで胸がバカでかいと「うーん」となるわけです。でも大和の場合「だって大和だもんそりゃ胸部装甲あるに決まっとるわな」という納得感があるので気にならないということですね。最初の定義「年相応の成長度合い」の個別ケース、特殊事例、といったところです。ただそれはそれとして陸奥とかは「服がセクシーすぎるッピ!」みたいな気持ちがあるのでまあ、度合いにもよりますね……

・夢見りあむ(デレマス)

このりあむしか持ってませんでした


りあむはなんかこう、顔がいいですよね。うん……でもこの人自分で自分の乳がデカいことにしょっちゅう言及してるので、その点はわたくし的にはマイナス……ではあるのですが、例によってそれ以上に面白い人なのでむしろあまり気にならないという感じです。基本的にポンコツ属性がついてると巨乳を見せられてる嫌悪感がある程度相殺されるという一定の傾向が見えてきた気がします。この人の場合それでも「でっか……」と思うデカさではあるんですけど。あとわたくしはかわいそうかわいいは好きじゃないんですけど、この人すごい不憫なのでなんか、どっかで報われてほしいなぁっていう気持ちがありますね……

・ノエル(原神)

3Dモデルの方はイラストよりだいぶ削られてます


さてどうなんでしょうか、果たしてノエルは巨乳なのか。わたくしは巨乳だと思います。公式イラストでは。ノエルはせいぜい16~17歳くらいで成人女性ではなさそうに見えますが、同年代の他キャラと比べると明らかにデカいです。しかも全身鎧で、メイドゆえ所作も美しいのに胸元は結構露わにしてます。原神は露出度高いキャラ少ないんですけどね。でもノエルはとにかく性格と所作が清楚全振りな上にわたくしにとっては常軌を逸したヘタクソさのアクションの腕前をそのスキルでカバーして攻略を可能にしてくれた救済措置として頭が上がらないし、とても愛着があるキャラです。

・マドロック(アークナイツ)

基本フォーム
中の人


はい。中身は結構巨乳のお姉さんなんですけど普段全身パワードスーツでなんも見えないもんな。以上です。強くてお世話になってること、穏やかな性格のお姉さんであることなどプラス要素は多いです。中の人、見ようによっては年相応の成長とも言えそうですけどまあ、デカいと思います。デカいって。

・エイミ(ブルアカ)

?????


おっぱいファスナー脱ぎたがり爆乳ねーちゃんのエイミですが、彼女の場合他のキャラとはちょっとベクトルが違います。巨乳に対する「うわ」という気持ちがオーバーフローして0に戻ってる感じです。もうここまでデカいし隠しもしないと「そういうものなんだよな」って脳がバグって受け入れてしまう、そんな状態です。ヒマリとの掛け合いが面白いとか、健気なところが魅力的とか、そういったところで好きなキャラなのですが本来ならこの乳のデカさをカバーできるものではありません。普段なら見せないでくれよ、急にそんなデカいの、と思うところではあるのですがデカすぎて認識がおかしくなっています。

・マリー(レスレリ)

人前に出ちゃダメ


全体的にデカパイキャラが多いし、登場する度にぶるんぶるんしてるのでビジュアル的にわたくしには辛いものがあるレスレリですがマリーは特にデカいし、まろび出てそうなくらい露出してます。でもマリーは実は原作に忠実な衣装をしているのでこのようにしか描写しようがないという点で「うん、まあ、うん……」というギリギリの許容ラインに入っています。レスレリだとお姉さんキャラでもありその辺で普通に好きなんですけど、まあ他のキャラもデカい分単独での印象が薄れたのも功を奏したのではないでしょうか。ちなみにレスレリのキャラの中で最推しのイザナちゃんはレスレリでは非常に珍しいペチャパイです。よいね。

・ニコ(ゼンゼロ)

なぜか公式Xに単品のイラストがあまりないニコ氏


初見の印象は「うおー、惜しげもなく谷間出してる生意気娘じゃ……」という感じでしたが実態がブルアカのアルとほぼ同じだったので好感度が高いです。ブルアカのアルはアルで初期から所持していてお世話になっている上に面白くて好きなキャラなのでね……ただ、エイミに比べればとても巨乳のラインナップに加えられないので今回は入れていません。結構デカいけどね。で、ニコはアルと比べると強かなところもありますけど、いくらでも腹黒い選択ができるところでも一定の義理を通してくれるのが魅力的ですね。やっぱアル社長だこれ。イラスト上のビジュアルはいずれもムチッとしてますけど3Dモデルだとそこまででもないのは原神と一緒ですね。

 さて、こうして見てみると共通している特徴が何か、なんとなくわかってきましたね。列挙してみましょう。

・ポンコツ
共通してそうで意外と共通してないポンコツ属性。この中では近年言われているような真のポンコツはニコしかいませんが、ずぼらだったりなんか面白い人、というところも含めれば半分くらいは該当しそうです。見方によってはマドロックもポンコツ属性への適性があるかもしれませんけど、原作では多分全くそんなことないですね……

・お姉さん
お姉さんみのあるキャラは「まあ、(形而上の)年上であれば胸もあるよね」という補正がかかるのかも知れません。にしても限度というものはありますけど、不思議とお姉さんみあるキャラクターは肢体を見せつけて誘惑してきたりしないことが多いので安心して見られるところがあります。

・何かがおかしい
強烈な個性が他にある、または胸がデカすぎることで全てを振り切ってるパターンです。やっぱなんとなく当たり障りない性格のキャラだと胸が悪い意味で目立っちゃいますからね。そんなことどうでもよくなるくらいヘンなキャラには魅力を感じるのかも知れません。

いかがでしたでしょうか。まあいかがも何もないですけど、やっぱ結局は巨乳そのものをごまかせる個性を持ってないと好きにはならないということが明らかになってしまいました。一方貧乳のキャラはよほど性格が悪かったりしない限りは貧乳であるというだけで好きなキャラに数えられるので、まあ……こんなもんか……という感じでした。もしわたくしが好きになりそうな巨乳のキャラがいたら、そっと教えてください。それでは……