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クリエイティビティの泉

 皆さんごきげんよう。マンスリーNajikoのお時間です。

アバターと仕掛け

 今日のテーマはアバターの変遷についてです。前回までの記事で大体の流れを書いたんですけど、アバターの改変には方向性というものがあります。とにかくオシャレがしたい、という人もいれば、面白いアバターが作りたい、という人もいるでしょう。わたくしの場合、多少は面白さを出していきたいなという思いがありました。単なる色改変こんちゃんから櫻歌ミコちゃんに似せたこんちゃんにシフトした時点からその方向性は決まっていたと言えます。

 ところが、当時publicで遊んでいたわたくしはアバターに様々な仕掛けが施されているのを目の当たりにすることになります。何やら、手から物を出したりできるようなのです。手に持った銃から弾を出す人もいました。ちょっといいなぁとは思いましたがそんなことしてるのは自分よりランクの高いユーザーばかりだったので、「あー、こんなことできるようにはならないんだろうなぁ……」とあきらめ気味でした。

やってみよう

 とはいえ、櫻歌ミコんちゃんの時点で既にアバターに小物(チョーカー)を追加することには成功しています。ならば、出し入れくらいは調べれば簡単にできるのでは?と思い、やってみることに。

できました。このこんちゃんはハンドサインであずきバーソードを出し入れするようになっています。この頃はAvatars2.0で、アニメーションオーバーライドでハンドサインと表情アニメーションを設定していました。そこのFistのアニメーションの中に、デフォルトで非表示になっているあずきバーソードを表示状態にするアニメーションを追加すればOKです。この基礎技術の習得で、改変のバリエーションは大幅に広がりました。ちなみに、このこんちゃんは風来のシレンの感じをモチーフにしています。

 ただ、大幅にといってもそんな急にはいきません。そこからさらにやったことがないことに手を出そうとするとかなりのエネルギーが要るものです。そんなとき、わたくしに刺激を与えた人物がこの方。

フレンドのみつき氏です。あまりいい写真がなかったのですが、このアバターには既に写っているだけで3つのギミックが搭載されています。まず第一に、ばらまかれた「えらい」の文字……少し遡って、わたくしが初めてみつき氏に会ったのは、さらに古いフレンドのティズさん経由でした。ある日ジャパンストリートにいるとき、ティズさんが「みつき」と呼ぶ人がいたのです。呼び捨てしてるし、リアルで知り合いなのかなぁ、と思っていたら案の定リアフレだったのですが、それはともかくみつき氏は最初に出会った時からマネーガンでゲーミングパーティパロットのカードをばらまく面白ギミックをアバターに搭載していました。わたくしが初見であきらめた「銃を撃つ」ギミックです。後にえらい集会に出るようになり、「えらい」の字をばらまくギミックに変わりました。更にそれだけでなく、みつき氏は次々と新しいギミックを披露してきます。この画像ではサングラスをかけていますが、なんとこのサングラスはハンドサインで脱着することが出来るのです。そして、何か棒を持っていますがこれは木魚を叩くギミックに使用するもので、木魚にはsit判定までついています。わたくしの幽霊こんちゃんも何度となく成仏させられそうになりました。

サングラスを外すギミックは、物の出し入れの応用で仕組みがすぐに分かったのでマネしました。こちらはオブジェクトのオンオフで行っていますが、Constraintを使うやり方もあると知るのはまだ先の話。ちなみに、先ほどの画像でみつき氏はゲーミングアウトラインシェーダーを使っていますが、わたくしはこのなすちゃんのように、そこで知ったゲーミングシェーダーの魅力に憑りつかれて今でも多用していますからその影響力たるやすさまじいものがあります。

みつき氏はモデリングにも堪能で、ティズさんに頼まれてコントローラーを作ってあげたりしていました。制作物を仕上げるスピードも速く、現在も凄まじいクリエイティビティを発揮しています。モデリングに関してはわたくしも手を出してはみたもののとてもみつき氏のようにはいきませんでした。それでも、VRChatであれもこれもできるんだ、という刺激はわたくしの改変に拍車をかけていきます。みつき氏も無言勢で、フリップに面白画像を出したりしてユニークな意思表示をしていたこともあり、無言勢のコミュニケーションのための有効な改変の仕方も学んだと言えます。

ちなみにみつき氏のBoothのページはこちら。

允喜屋 https://mitsuki-monooki.booth.pm/ #booth_pm

本人も使用している意外なものが販売されていたりします。

賢者と愚者と決闘者

 さらにわたくしに大きな衝撃を与えた催しがありました。それが魔術師集会です。魔術師集会には、アバターギミック開発の魁と言える技術者の頂点が集う勉強会です。そんなところにド素人同然の知識レベルで乗り込んだわたくし。

なんと自分以外の幽霊こんちゃんとも遭遇。世界は広いですね。

絵本から出入りするギミックを仕込んでいるkurokuroさん。アバターを使ったパフォーマンスをあちこちでされていますが、その歴史は長くVRChatのサービス開始当初からアバターを使ったギミックを研究されています。さすがにわたくしには絵本から出るギミックなどは到底再現不可能ですが……

シェーダーのマスク値を利用した窓枠芸の仕組みを集会で学び、自分のものとすることが出来ました。このギミックは様々なことに応用が利きそうではあるのですが、わたくしは窓枠で満足して他には流用していません。今でもこの頃の技術レベルで実装したギミックとしてはわたくしの中ではオーパーツだったな、と思います。この芸は今お出ししても好評なほどで、魔術師集会で得られたものの偉大さを感じます。仕組みはそれほど難しくはないのですが、見た目にこれほどのインパクトがあるギミックの実装に成功したことは自信につながりました。

その後はエモートスイッチでシュノーケルや浮き輪の脱着が出来る水着こんちゃんを作成したりと、着々と実装できるものを増やしていました。

さらにこの頃にはAvatars3.0も登場。まだ叩き台としてアップしたものですがキングこんちゃんは初の3.0アバターでした。そしてこの夏、わたくしの獲得したなけなしの改変技術の集大成となったのが……

遊戯王集会です。みつき氏や、この前に新しく知り合ったふじよしさんやあんにゅいさん、しろクラゲさんなど多くのフレンドが遊戯王集会を楽しみにしており、この時に向けて各々可能な限りの手間をかけてアバター改変を行いました。左端に写っているバナナがたくさん刺さったなすちゃんがわたくしが召喚しているインフェルニティなすドラゴンです。今見ると、自らモデリングして実装したフィッツジェラルドを召喚しているみつき氏や、こちらもモデリングしたアークナイトを召喚しデュエルディスクとDゲイザーまでこんちゃん用に自作したあんにゅいさんには遠く及ばない完成度ではありますが、この時はとにかく完成度の差などはどうでもよかったのです。自分がやりたいことを実現させて同じテーマでお祭りを楽めたことが、わたくしにとって最高の体験となりました。

ベクターと和解するあんにゅいさんのシャークこんちゃん。透過を使ったDゲイザーが光ります。

 それからは改変の勢いも少しずつ穏やかになってはいったものの、まだまだこんちゃんは増えていきます。一応この後しばらくはAvatars2.0でアバターをアップロードしていましたが……この先の話は長くなりそうなのでまた今度。

無断転生

 前略、Najikoです。ご無沙汰しております。

特に何かあったわけではないのですが、気持ちが落ち込んでしまったので気晴らしにVRCライフの記事でも書こうと思います。楽しい記事にするぞ。

VRCの中の自分

 前回の記事、というともういつの話か分かったもんじゃないですが、そこではVRCにインして、フレンドをみつけ、今日も一日生き延びてえらい集会に参加して輪を広げたところまで書きました。

 VRCでは、人が使う様々なアバターを見ることが出来ます。どんなアバターを使うか、またアバターをいじる技術を身につけたらば今度はどんな風に改変するか……たくさんアバターを持っている人もいれば1体のアバターを使い続けている人もいますが、アバターはVRCにおけるアイデンティティの根幹に関わる部分だと言えます。

これはVroidで作成したアバターで、最初にそれを使ったときの写真です。よく撮れてるかはともかくとして、初めての自分だけの身体を写した大切な思い出の写真です。VRCにおけるNajikoの”数ある誕生日のうちの1回”といったところです。

 その後わたくしはこんちゃんをたくさん改変し始めました。今でも、48種類改変するという目標に向けて非常にスローペースながら気分次第でやっています。既にこれまでに30種類くらいのこんちゃんをアップロードして使ってきました。

この写真はわたくしが初めてテクスチャの色を改変したこんちゃんを使ったときに撮影した、これまた大切な思い出の一枚です。これもNajikoの数ある誕生の日のうちの1回と言えるでしょう。

 さて、この辺まではいいんです。この頃は自分のためだけにアバターをアップロードしていました。しかしここから次第にアバターを作成したり改変したりする目的が、フレンドに見て欲しい、感想を言ってもらいたい……といった方に向いていきます。承認欲求、とまではいかなくとも、VRCで無言であるわたくしにとって、改変によって「これ見て」とアピールすることはコミュニケーションの重要な方略の一つになるのです。ちやほやされたいわけでも、不特定多数に賞賛してほしいわけでもなくただ、いつも遊ぶフレンドに「お、新しいやつだ」と言ってもらえれば重畳。そのためにはただの色改変や着せ替えだけでなく、少し変わった目を引く何かを仕込んだ方がいいだろうと考えて、なるべくそのようにしてきました。

これは櫻歌ミこんちゃんになって最初に撮った写真です。このこんちゃんは、VRCでもアバターが使われてよく知られているVtuberの櫻歌ミコちゃんに似せる改変をしたこんちゃんです。ほとんど単なる色改変で小物のチョーカーを足しただけですが、ただ服がピンクのこんちゃんをアップロードするよりは多少話のタネになります。わたくしにとってはこのわずかな差が生命線と言えるほど大事な要素だったのです。

これは薄すぎてほとんど見えなかった初期の幽霊こんちゃんです。右手に遺影を持つギミックを仕込んだこの幽霊こんちゃんは未だに見知らぬ人の前でお出しするとウケがいいヒット作改変です。自分の姿を見て喜んでくれる人がいるということは、とても嬉しいものです。

 そんな感じで日々改変を重ねていた頃はあまり意識しなかったのですが、もしわたくしがアバター改変を一切やめてしまったら? 見たことのあるアバターでしかインしなくなったら? Najikoのガワの鮮度が落ちて、フレンドの輪の中であまり関心を持たれないようになったら……それは今にして考えればとても恐ろしいことです。あの頃は、無意識にそれを避けるように改変にいそしんでいたのかも知れません。

再誕の時

 時は過ぎ、わたくしはこんちゃん以外にも複数のアバターを使うようになりました。そのうちの1体であるあまなつちゃんは現在に至るまで改変を重ねているとてもお気に入りのアバターなのですが……

 わたくしの”改変”に一つの転機が訪れます。そのきっかけは、ある一人のフレンドでした。それがぱんだの中身さん(ぱんださん)です。

ぱんださんはVRCを始めた頃から少しずつシェーダーを書く訓練をして、今では3次元空間上で装置として機能する極めてユニークなシェーダーを作り上げています。そうしたクリエイティビティのきっかけとして、わたくしがこんちゃん改変を重ねていた時のことを挙げてくれたのがわたくしは何より嬉しかったのですが、それはそれとしてとにかくかわいいのでちょっかいをかけていました。

こたつで横になっているぱんださんに積極的に折り重なって頭をわしゃわしゃするなどロクでもないことをしていたわたくしですが、どうせなら逆になってもらうのもいいかも、と思い普段使っているあまなつちゃんにパジャマを着せ、誘い受けを試みることにしました。ようやっと意図を汲んでもらい、実現した時の様子がこちら。

絵面がNSFWのそれですが、別にやましいことは本当に何一つなく、頭を撫で合っているだけです。なお、わたくしは三点トラッキングで仰向けになるために補助IKまで使用している手の込んだ挑戦です。

これには横で眺めるフレンドも思わず黙ってお茶を飲み始める始末。何を隠そう、このワールドはあんにゅいさん(写真左)のワールド。その一角の布団でわしゃわしゃしているのですからもう手に負えません。

ここまでならまあ、ちょっとした(?)悪ふざけで済んだのですが、この後わたくしはさらにとんでもないことを思いつきます。それがこちら。

子を儲けたのです。実は、わたくしは以前ぱんださんに触発されてしらたまちゃんを購入していたので、あまなつちゃんのボディにしらたまちゃんの髪形としっぽを合わせることが出来ました。それで件のやり取りの後、唐突にこのアイデアを思い付いたのです。しらたまちゃんとあまなつちゃんで、たまなつちゃんと名付けました。この時は、仕込んだ写真のブラックジョークぶりも相まってたまなつちゃんを見た誰もが驚愕しました。考えてみればとんでもない話です。ぱんださんはわたくしの誘いに善意で乗ったばっかりにその様子を写真に撮られた挙句それを既成事実として子供がいることにされているのですから。しかも、あんにゅいさんの部屋で。正直な所、ちょっと怒られるかな、と思いました。怒られたらそれはそれですっかり反省しただろうと思うのですが……

ぱんださんは意外にも自ら「パパだよ」とたまなつちゃんを認知してくれました。あんにゅいさんもまた、”可愛い”の誕生を喜ばしいことと言ってくれました。正直言ってわたくしは自分が許されたことがにわかには信じられませんでしたが、それは紛れもない救済でした。ロクでもない邪悪なイタズラとその結果誕生したたまなつちゃんは拒否されることなく、受け入れられたのです。それに多くの人がたまなつちゃんをかわいいと言ってくれました。わたくしはそれが本当に嬉しくて仕方ありませんでした。悪ガキレベルの”注目されるために何かをする”段階の先で、”許容された”という思いが、わたくしをあるべき姿へと導いていく。たまなつちゃんはそのシンボルとなりました。イタズラで生まれた彼女は決して呪いの子ではなく、「かわいいね」「よかったね」と祝福を授かってVRCの大地に降り立ったのです。図々しい解釈と言ってしまえば身もふたもありませんが、結果的にたまなつちゃんはわたくしがコミュニティの輪に守られて許容されていること自体を指す標として、一つの終着点となったのです。たまなつちゃんの誕生は、n回目のわたくしの誕生の日の一つの区切りとなったと言えるでしょう。

まあ、たまなつちゃんが生まれてから全然アバター改変をしなくなったかと言えばそんなことはないのですが、少なくともたまなつちゃんがわたくしのアイデンティティを繋ぎとめる楔となってくれていることには違いありません。つい先月には、Blenderに詳しいきたむぅさんの助言を得て袖のウェイト調整とfbxのブラッシュアップを行い、より愛着が湧いています。

そこにいるということ

 たまなつちゃんの姿で、というだけではないですがVRCのいつもの場所にわたくしが当たり前に足を運ぶことが出来るということは、そこに自分の居場所があるということに他なりません。最初に、本当に最初に、VRCの案内をしてくれた大好きさんが言ってくれたことが思い出されます。

「人が話してるところにいて、話を聞いてるだけでもいいからね」

本当は最初から、わたくしは注目されるために頑張るようなことはする必要がなかったのかも知れません。けれど、怖かった。相手にされなかったり、受け入れられなかったりした結果、「ここにいられない」という思いが生じて息が出来なくなるのが恐ろしかった。しかし、少なくとも今のコミュニティの中ではそれが杞憂であったということをたまなつちゃんの一件が証明してくれたと、わたくしは思いたいのです。だからその記念碑として、わたくしはたまなつちゃんを愛し、フレンドに感謝と報恩を、と心から思います。ありがとう。わたくしを受け入れてくれる人々、わたくしの話を聞いてくれる人々、そしてわたくしと遊んでくれる人々。

怱々。

Murder4攻略情報

前書き

 どうも、Murdererになると何故かめちゃ怖がられているNajikoです。

 この前はSummerSweet!マーダー部の記念すべき第一回イベントを行いましたが、マーダー4が人気ゲームなこともあり大盛況でした。参加いただいた皆さんありがとうござました。

マップとその概要

 今回は久々にマーダー4の攻略記事になります。こちらはSummerSweet!マーダー部一同の調査協力に基づき、デザイン担当のイルカの人氏が作成してくれた全体マップです。

 Hervestとあるのはこの黄緑で塗りつぶされたエリアに証拠品が入っている可能性があり開け閉めが出来る棚などがあることを示しています。実際にはこれらの他に目視できる部分に裸の状態で出現している場合もあります。それらは場所が細かく散らばりすぎていてマップに書き入れられないのですが、家具の影や高い棚の上など一見すると見つけるのが困難な場所に出ることもあるので注意が必要です。

 Pictureの位置はマップに示していますがそのいずれも置いてある物の影に完全に隠れており、そこに行くだけでは見えません。どんな場所にあるのか明記しておきます。
Garage……立てかけられた絵画の影
Library……イスの下
Cellar……棚の横のイスの下
Kitchen……置いてある鍋の下
Billiard Room……棚の中に置いてある物に紛れている

Murderer時の立ち回りについて補足

 各役職の立ち回りについては前回の記事でおおむね書ききりました。Murdererに関しては大まかにまとめると、初手で探偵の部屋に突っ込むかそれ以外か、に分かれます。突っ込んだ場合は強襲に成功すればそのまま他の誰かに銃を拾われないように気を付けながら残りのBystanderを刺すだけです。

 突っ込まない場合どうすればいいかというと、証拠を集める、隠れながら刺す、と2パターンができそうに見えますが、これらはいずれも運の要素に左右されることが多く時間が経てば銃を持つ人が増えてしまう可能性が高く、不利になるのでお勧めできません(話術で銃を出したプレイヤーを騙して刺し、銃を奪うことが出来るくらいの自信があるなら話は別ですが)

 しかし、写真を集めるという第三の選択肢について、前回の記事では論外みたいに書いていましたがこれが案外大アリだったりします。具体的には、写真を5枚集めて積極的にカメラを取り、銃持ちを撮影して画面が明転している間に刺してしまう、という戦法です。探偵の銃の場合自分で拾えないのであまり美味しくないですが、Bystanderが出した銃を奪えれば大いに有利になることが出来ます。逆に言えば、Bystanderはナイフのある部屋で待機していない方が安全です。わたくしはよくBedroomで銃を構えていますが、これがあるのでカメラを持った人が近づいて来たら撃ち抜いています。

 マーダー4については大体の事はもう書いたので今回はマップ大公開! で内容はほぼないですが、今後もSummerSweet!でマーダーのイベントを開くことがあるかも知れないので、その時はよろしくお願いします。Najikoでした。

Avatars3.0で飛行モーションを入れる

 皆さん、”生存”していますか?
わたくしはちょっと微妙です。Najikoです。

前書き

 そんなわけで今日やりたいのはこれ。はいドン。

 飛行モーションの導入です。

 今回お借りしたモーションはこちら。

[VRChat向け]飛行アバター用の移動モーション | ふっとうわーく
https://booth.pm/ja/items/1456118 #booth_pm

 これを説明書に従って導入すればおわりっ!
……とはいかないのがAvatars3.0の辛いところ。というのも、こちらのモーションも2.0の頃に公開されたものなのです。Avatars2.0の頃は「アニメーションオーバーライド」といって、ハンドサインに入れる表情や移動モーションにあたるアニメーションを一括で管理してくれるファイルを使用できたのですが、3.0からは自由度が爆上がりした代わりにこれらを別々のコントローラーで1から設定しなければならないのです。表情などは自動化ツールや各種情報が溢れていますが、移動モーションは調べてもなかなかいい情報が出てこなかったので書くことにしました。

Boothの商品写真にも出ているこちらがアニメーションオーバーライドです。ここの各項目にアニメーションをドラッグアンドドロップするだけですから、楽々ですね。しかし、3.0ではそうはいかないので早速Unityを開いて設定を開始します。

ファイルの導入と設定

 まず最初に、当該のモーションをBoothからダウンロードしたら、Projectタブの適当なフォルダにダウンロードしたアニメーションファイルをドラッグアンドドロップしてインポートしておきます。その上で、アバターの設定を行っていきます。

こちらはこの前の記事までも使用していたこんちゃんのVRC_Avatar Descriptorの一番下の方です。表情関係のレイヤーなどが入っているFXレイヤーはお馴染みですが、FXレイヤーが所属している「Base」グループの上の方に同じく「Base」という項目があります。ここの「Default Locomotion」をクリックすると……

任意のレイヤーを選択できるようになるので、下の方にあるvrc_AvatarV3LocomotionLayerを選択します。

選択した後、そこをダブルクリックするとvrc_AvatarV3LocomotionLayerが開きます。こちらは移動したりしゃがんだりしたときの動きを制御するステートが入っています。

制御ファイルの編集

3つ並んでいるステートの一番上のオレンジ色のやつをクリックしたところです。右上のファイル名で「vrc_standingLocomotion」というモーション制御ファイルが使用されていることが分かります。

さらにそこをダブルクリックしたところです。さあ、いよいよ訳が分からなくなってきました。
ここにはどの方向に移動するときにどのアニメーションを再生するかが記録されています。右上の青いダイヤは下の表のPosX、PosYの値に従って位置が変わり、「アバターがそのダイヤの方向へ移動しようとしたとき」を示します。そして、実際に移動した時はそこに設定されているアニメーションを再生するというわけです。

まずここで、「vrc_standingLocomotion」をCtrl+Dでコピーし、「vrc_standingLocomotion Fly」とリネームして、先ほどのMotionのところにドラッグアンドドロップし、ダブルクリックして編集を開始します。

悪いことは言わないのでこの通りに設定しましょう。
実現したい動きに向けて設定の目処が立つようであれば調整してもいいと思います。
この設定値自体は確かどっかで見た値を参考にしているのですが元がどこだったかソースが追えなくなってしまいました。「おお、これ俺が考えたやつじゃん」という方がいたらソースとして貼りますのでご一報ください。
一番右のチェックボックスは、当該のアニメーションを再生する際に左右反転する、というチェックです。
一番下のProxy_stand_stillはデフォルトで設定されているアニメーションのうちの一つです。デフォルトで設定されている項目をクリックするとそのフォルダに飛ぶので、その中から見つけて設定しましょう。なお、設定項目は右下の+-で追加したり削除したりすることができます。

次に、同様に3つ並んだステートの一番下の「Prone」をクリックし、同じようにMotionに設定されているモーション制御ファイルを見てみると、こちらは「vrc_ProneLocomotion」となっています。こちらも同様にproject上でCtrl+Dでコピーし、「vrc_ProneLocomotion Fly」にリネームしてMotionのところに入れます。そしてそれをダブルクリックして開き……

今度はこのように設定します。こっちは値やチェックボックスをいじる必要はなく、アニメーションファイルを差し替えるだけでOKです。

これで設定は完了です。あとはいつも通りアバターをアップロードすれば……

完成!!

 最初は全くプレーンな状態のこんちゃんでしたが、今やEXメニューから看板を出したり尻尾に椅子があったりホバー移動するようになりました。見た目が無改変でもだいぶカスタマイズ性が発揮されてきて感慨深いものです。こうして思うままにアバターをカスタマイズし、なりたい自分を目指しましょう。

 なお、前回「マテリアル変えるやつの記事書く」とか言ってましたがそれは調べれば結構情報も出てくるやつなので気が向いたら書きます(小声)

心が折れた話

 お久しぶりです。Najikoです。

 今回の記事はこう、誰に役に立つとか、誰に読んで欲しいとかは一切ない完全な私怨と愚痴です。なんでそんなことをわざわざブログに書くかと言われれば「とにかくなんか書かないと気が晴れないから」としか言いようがありません。読んでもらうことより書くことが目的です。自分の為に。

 突然の自分語りですが、わたくしは人に置いていかれるのが大変苦痛です。疎外感と劣等感をいっぺんに味わうのが耐えられません。それは例えば、自分だけうまくできない、といったものも含まれます。わたくしはとにかく、実力で勝敗が決まる勝負を避けます。子供の頃からゲームは好きですが対戦になるとそれはもうはちゃめちゃに負けてカモられるだけなので、対戦するのが大嫌いでした。下手なのです。しかし、周りがのんきに楽しみながらそこそこの腕前を持っているところに無茶苦茶努力して追いつくのも大昔の野球漫画みたいでとても辛いので、勝てそうにない試合は避け続けてきました。

 それはもう仕方がありません。拗らせてしまったものを矯正するのは大変です。人間、向き不向きがあるのですから向いてないことにストレスをかけられるよりは競わなくて済むもので心を満たす方が幾分健康的です。ですから、VRCでもわたくしはPvPのFPSワールドなどはあまり乗り気でなく、よく観戦していました。やりたくなければ見ていればいいわけですからそれはなんてことありません。ところが、そんなわたくしがうっかり足を突っ込んでしまったワールドがありました。

 それがPandoraです。Pandoraは広大な土地に作りこまれた掛け値なしに美麗で壮大な世界を駆け巡り、謎に包まれた仕掛けを解いていくワールドです。はじめはEp.1から始めて、そこでは案内人の方の手を借りてなんとか最後まで行けました。そして最近Ep.2以降をフレンドと案内人なしで攻略していました。

 話が前後しますが、わたくしがPandoraを知ったのはまだチュートリアルワールドで初心者案内の写真に写り込む亡霊だった頃のことです。こんなうわさを耳にしたのです。
 「Pandoraっていう難解な謎解きワールドがあるんだが、そこは何㎢もある広大なワールドで、とても独力では回りきれないらしい。それをやろうものなら何日もかかることになるから、普通はそんなPandoraを知り尽くした「マスター」が案内をするPandoraツアーに参加してようやく普通に遊べるということだが、それでも数時間は平気でかかる。近頃、その中でも最も広大なEp.4が公開されたとか……」
わたくしはそれを聞いた時、途方もない話だと思いました。最初から、そんな大変なところに挑もうとは思いませんでした。しかし、時は過ぎ、フレンドも増えてわたくしもそのツアーに参加する機会があったのでEp.1をやったわけです。謎は確かに難解で、思うところが色々あるのですがそれについては後述します。しかしこの世界観、続きは気になります。またのちのエピソードのツアーに参加するかな……と思っていましたが、最近フレンドが独力でワールドを巡っているのを見て、つい首を突っ込んでしまったのです。

 確かに噂通り、攻略には日数を要しました。それでも力を合わせれば、と言えればよかったのですが、実際にはフレンドが謎を解いていくなかわたくしは独力では一つもロクに解答できませんでした。この時点で結構しょんぼりなのですが、解けなかったものは仕方ありませんし、同時に挑んでいる以上は「一応は一緒に考えた」というところで納得がいきます。それに、しょんぼりするぐらいなら手を引けばいいかと言えば、先の事は気になるし、フレンドと取り組んでいるのが楽しくて行っているのですからそうもいきません。ここまできたらあとで別に案内人のツアーに参加する気にもなりません。もうこれはわがままというほかないのですが、なんでそんなんなのかと尋ねられてもそれはホラーワールドが苦手な人に「なんで苦手なんですか」と尋ねるのと大差ありません。理由は出ますが最終的には「そういうもんだから」としか言いようがないのです。Pandoraの謎と一緒です。そして、時に怖いもの見たさでつい苦手なホラーワールドに行ってしまうように、わたくしも「最後まで見たい」というモチベーションだけは持ってくっついて行っていました。人間、わかっていてもやめられないことや「そんなことで」と思われるところに固執することは誰しもあると思いますが、今まさにそういう状態なのです。

 問題は、攻略はいつも一緒とは限らないことです。時にはわたくしがインしていないタイミングでフレンドが謎を解くこともあります。ここで「置いて行かれ」が発生します。謎解きはバラしてしまえばおしまいですから、フレンドも気を遣って「こんなんだったよ」とは言わないでくれます。それでわたくしはひとまずソロで追いつくためにその謎に独力で取り組むことになります。しかし、どれもこれも一人ではいくら考えても一向に解けずに結局は首をかきむしるような苦しい思いをしてヒントを乞うことでなんとか最低限の解答は出して次に進んでいるような有様でした。そもそも、Pandoraの謎は普通の謎ではありません。「これは解けない俺が悪いのか?」と言いたくなるような仕様のものがままあるのです。全部ではないですが。具体的に例を挙げていくと、

・解答に使うものが何かわからない
・解答に使いそうなものを操作しても正答以外には一切反応しない
・手がかりが答えに結びつかない、答えを見てもなお一意に結びつくと思えない
・そもそも手がかりが少ない
・答えに何を要求されているのかわからない
・バグで謎解きに必須になる手がかりが出ない
・必須の手がかりが解答する箇所から数キロ離れているところにあり、場所は示されない
・仕掛けは存在するが一切使わないもの(いわばダミー)がある
・他の収集要素をコンプしないと出ないものがある

など、おおよそ人が解くようにデザインしているとは思えないものもあります。なお、これはまだ単独で解答する場合に限る話で、これがワールドに2人以上いる場合、

・同期ズレで攻略が不能になる
・でも2人以上必須の謎がある
・2人いると表示のみが壊れ、3人以上いるとギミックが動かなくなる箇所がある

等更なる不具合が発生します。こればっかりはVRCの仕様もあるので仕方がない部分もあるのですが、「案内人が必要な難易度設定」と「2人以上必要なギミック」とは矛盾する内容です。しかも今のところ攻略中のEp.3まで毎回複数人必要なギミックが存在し、複数人で行くと壊れるギミックも同時に存在しています。それでも、解いたものが謎解きとして普通に成立しているような内容なら「あー、これは一本取られたー」とそれなりに楽しんではいたのですが……

 そんな楽しみも砂上の楼閣。わたくしは今回の謎解きで完全に心が折れてしまいました。色々あったのですがまあ、具体的な謎の答えは書かないようにしつつもそこで何があったかにかなり触れる内容は書きたいのでここまで読んでなお独力で全部やりたいという方は是非ブラウザバックしてください。ここまで愚痴にお付き合いいただきありがとうございました。

一呼吸置きましょう。

穴埋めのボーナスステージ(?)をご覧ください。

時には気晴らしも大事です。

では書きます。

 その謎は、手がかりをもとにある数字を入力する謎でした。数字を入力する、という解答方法は分かるのですが数字が何桁なのか、そもそも数字を入力するのが最終目標なのかは最後までわかりません。そして、その手がかりは他の仕掛けに所定の操作を行うことで変化する、対になる個所から得られます。それぞれ、

A.視覚では捉えられないが直接答えに結びつく(と、あとからわかる)手がかり
B.視覚で捉えられるが答えを見ても関連性がよく分からない手がかり

でした。実はこのヒントは、対になっているもののいずれも同じ数字を示す手がかりであると後でわかりました。しかし、その理由は結局わからずじまいでした。というのも、この手がかりを与えてくれる対になっている存在がそれぞれ同じ数字を同時に提示するに至ったのは単なる結果であり、実際にはそれらが結託して1つの答えを作り出した可能性も考られたからです。つまり、このAとBの手がかりはそれぞれ「数字を導き出すものではないか」と類推できたとしても、それを組み合わせるものなのか、単独で使うものなのか最後までわからないのです。

 さらに、それらの手がかりのうちBは所定の手順を踏めばいつでも視覚的に認識することが出来ますが、Aの手がかりは視覚で捉えられない上、そのうち重要な一つは所定の手順を踏んでも一回しか提示されず、気づかないと二度ともらえません。そこだけは他の手がかりがイマイチ答えに結びつかないBの方を参考にすることになります。Bの方はほとんど数字に結びつかないので、この時点では手がかりなのかどうかもよくわかりません(しかも前述のとおり解答中はAとB両方使うのか、どちらかから読み取ればOKなのかは判別できません)。さらにわたくしが行ったときはバグでAの手がかりの内必須のものが一つ得られない状態になっており、この時点で完全に詰んでいました。それでフレンドにヒントを求めたのですが、そこでエリアガイドを読めば手がかりが数字に結びついてくることを教えられました。しかし、このエリアガイド、メニューからいつでも見られるものの、他の箇所では謎をクリアしなければそもそもその場所の説明が表示されないのがほとんどでした。しかし、この謎については何故か途中で本文が解放されるようになっているのです。それに気付かなかったわたくしですが、まあそう言うこともあるとここでは割り切って本来クリア後に読ませるものであろうエリアガイドを途中で読んで、かろうじて手がかりに従った数字をいくつか導き出します。しかし、入力を試みても当然正答には至りません。だって、この時点で必須の手がかりを1つ得られない状態になっていますから。もう完全にドツボにはまっています。バグで解けないのか、自分が気付かないだけなのかすらわからないのです。それで、仕方がないのでわたくしは手がかりの1つ1つを照会して「この手がかりの解釈はこれで正しいのか?」とフレンドに尋ねました。もはやほぼギブアップ状態です。そこで初めて、一つの手がかりが得られない状態になっていることが判明し、これまた仕方がないのでそこの値だけは教えてもらいました。しかし、これでもなお前述の「これをどう使うか」がいくら考えてもわからず、数十分ああでもないこうでもないとやり取りをした結果ようやく解答が済みました。結局Bの手がかりは答えを見ればかろうじて結びつけが出来る程度で、そのうち2つはいくら考えても結びつかない上フレンドもなぜそうなるかはわかりませんでした。

 そして、答えてもなお、納得がいきませんでした。それらの数字は話の流れから行けば、入力装置の持ち主が設定した、という前提で手がかりとの関連付けが成り立ちます。しかしその最後の桁は、エリアガイドによれば持ち主の散り際に残された数字が手がかりということでした。でも、持ち主がそこで散ったのならその数字は誰が設定したのでしょうか? この時点で手がかりと答えを関連付ける前提条件と矛盾しています。にもかかわらず、そこは「散り際に残った数字だから最後の桁」という理由で答えになっているのです。それは理屈が通らないんじゃあないでしょうか……

 しかし、この記事は「そんなもん誰が解けるんじゃ!」と思いました。おわり。とは締めくくれないのです。なぜって、「解けてる人は解けている」からです。そしてわたくしは解けなかった以上、「解けなかった人」なのです。これまでも単独で解けなかったところに追い打ちを受けてすっかり落ち込んでしまい、勝手に自信がなくなってしまいました。先は気になるのでこの先にも挑みたい気持ちはある。けれどもこれから先もきっと、バグで解けないのか、自分が気付かないのか、何を使って何を使わないのか、手がかりは足りているのか……といった組み合わせ爆発で頭がパンクした挙句自分だけわからずじまい、という辛い状況に陥るかも知れないと思うとそれはそれで何とも言えない気分です。板挟みは精神に悪影響を及ぼします。

 Pandoraは「マスター条件」として設定されている隠し要素を解いた証明になるスクショを提出すると、そのマスターの証となる画像を受け取ることが出来ます。これがいわば「マスターバッジ」です。フレンドは「解いてはいるけどもらわなくてもいい」と受け取っていないのですがわたくしはせっかくだから、と自分が解いたわけでもない謎の解答後の写真を自撮りしてEp.2までのマスターバッジをもらっていました(1はヒントをもらいつつ一応単独で答えたところもありましたが)。写真のように自慢気につけていますが、「すごいねー」と褒められると実際には心苦しいものがありました。一身で戦い抜いて犠牲になった錆兎のお陰で鬼殺隊に受かった義勇さんが「俺は柱なんかじゃない」と言っていたのと同じような気分を味わう日が来るとは思いもしませんでした。しかし、義勇さんに倣うなら想いを継ぐという意味で、このバッジを以て「自分と同じ苦しみをフレンドが味わうのを避ける」ことができると思っていました。自分で解答してないけど一応仕掛けは分かるのですから(未だに答えだけわかって仕組みが分からない箇所がありますが)。最初にPandoreの噂を聞いた時は「広いから案内が必要なんだ」と思っていましたが、それだけではないということを十分に思い知りました。「ここの解答に何が必要で、仕掛けの意味や動かし方や順番はこうで、正常に機能しているか、壊さないようにするにはどうすればいいかを教え、どう考えても一意に答えが決まらなさそうなところはうまく補う」といった存在がいなければわたくしのように永久にのたうちまわる羽目になる人が出ること請け合いだからです。案内人の真の存在意義はそこにあったというわけです。しかし、先人は案内なくしてそれを潜り抜けてきたわけで、そうでなくとも踏破した人は案内を受けながら自分で答えを導き出したことでしょう。結局わたくしはどっちもできなかったので、今回打ちのめされた結果バッジをつけてるのが急に恥ずかしくなってしまい、外してしまいました。まあそれでも、せっかく案内はできるので行ってみたいと思ったら声をかけていただいたらそれは喜んで行くのですが……

 まあ、そんな感じです。特にオチもないハイパーお気持ち記事です。人間の心はどうして些細なことで荒んでしまうのでしょうか。客観的に見てもあんまりにもあんまりなのはわかっているのですが、わかっているのと折り合いをつけることは遠く離れているのでこうした記事を書いてしまうんですね。アウトプットの方法は人それぞれです。そしてわたくしはそれでもなお、性懲りもなく先には進もうとするのです。その結果、「吉兆」が自分の中に残されれば僥倖ですが、果たして……

Avatars3.0で物を出し入れする

 こんにちは。DECA GEARはホントに出るんでしょうか。
Najikoです。

前書き

 今日はついに、というかいマサラタウン感があるんですけれども物の出し入れについてやっていきます。結構、最初認識していた知識に誤りがあったりしたので特にレイヤー周りの構造は一応の正解をはっきりさせられたらな、と思います。物の出し入れの設定とは要するに、VRC内で例えば普段何も持ってないアバターの手にアイテムを持たせたり消したりする、といった設定をUnity上で行うということです。これができると改変の幅が大きく広がる他、アニメーションの性質の理解に向けて一歩前進できます。

小物の用意

 さて、前回の記事で尻尾に謎のsit判定を仕込んだこんちゃんを引き続き利用していきたいと思います。今回はこんちゃんの手に看板を持たせることを目的としてやっていきましょう。

今回使用した素材はこちら。
https://booth.pm/ja/items/1085365

そして、看板に掲げる文字はこちら。

これは何かと言いますとですね、一緒に写真を撮りたい人がいる時にこれを出すわけです。特に、VRChatでは思いがけず有名な方(イベントの主催や有名ワールドの作者の方など)とお目見えする機会があったりするのですが、話をさえぎって「写真撮らせてくれー!!」とアピールするのも恐縮なので、スッとこれが書いたパネルを出すと目に入った時に大体応じていただけます。無言勢のわたくしには重宝するアイテムです。

早速、こんちゃんのプロジェクトに看板と上の画像を貼ったテクスチャをインポートしました。そして立て看板をこんちゃんのいるScene上にドラッグアンドドロップすると……

はい。バカでかい看板が登場しました。右上に「Scale」とある部分を見て下さい。現在は1/1サイズなわけですが、これをXYZそれぞれの方向に対して0.3に設定すると、

まあ、いい感じの大きさになった気がしますね。それでは、次にテクスチャを看板に設定するためマテリアルを作成します。Project上で右クリックして、Create→Materialと進みます。

こうしてNew Materialができたら、次にInspector上の上の方のShaderタブをクリックしてシェーダーを選択します。

今回、上の画像のようにUnlit Textureを選択しました。Unlitはワールドの光源の影響を受けずに描写されるためお出しした看板が真っ暗、または眩しすぎて全然見えない、といったことがなくなります。

今度はMaterialにテクスチャ画像を設定します。上のAlbedoと書いたところをクリックして画像を選択します。すぐ隣にある看板のテクスチャ画像を設定します。

次にHierarchyの立て看板を展開して、ボードと柱のそれぞれのメッシュ(ガワのこと)にMaterialを設定していきます。Mesh Rendererのすぐ下のMaterialと書いた▼を展開して出します(最初はたたまれています)ここのElement 0と書いたところに、標準では「看板」というこの3Dモデル標準のマテリアルが割り当てられていますが、ここに先ほど作ったMaterialをproject上からドラッグアンドドロップしてみます。

するとこのように、Secene上の看板にもしっかりテクスチャが反映されているのが見えますね。

柱の方も同様に行います。本来、メッシュが別々ならMaterialも別々のものを使用することもできますが、今回は1つのテクスチャにボードと柱両方の分が描写されているので、同一のMaterialを設定すればOKです。

小物の設置

 一旦Hierarchyの看板の階層を閉じて、画像のように親の階層を選択した状態にしてからScene上の矢印を引っ張って看板をこんちゃんの手のところに持っていきます(先ほどMaterialを設定したメッシュの方を選択したまま動かしてしまうと面倒なことになります)。もし矢印以外になっている場合はHierarchyの上にあるいくつかのボタンの内左から2番目にある、矢印が十字に交差しているボタンを押せば矢印が出ます。そして……

さらにRotationをいじって看板を回転させます。真横から見るとこんな感じで、表面が下になるようにすると出した時に正しい方向になります。先ほど説明したボタンの内リサイクルマークみたいなやつは回転を表しており、これを押すと手動でモデルを回転させることが出来るようになります。またScene右上の四角い立方体をクリックするとパースのオン、オフ、また立方体から出ている円錐をクリックすると真横や真上からの視点に切り替えることが出来るのでうまいこと調整してください。

真上から見るとこんな感じ。看板が手から離れていないかなどよくチェックしましょう。

次にHierarchy上の看板の親オブジェクトを選択して右クリックし、Unpack Prefab Completelyを行います。これは何、と言われると説明が大変なんですけど、これをやらないとオブジェクトがHierarchy上で自由に階層を移動できなくなります。看板を入れる先のこんちゃんも同様にUnpackしておきます(画像ではすでに行われています)。

今度はこんちゃんの階層を展開してArmature内のHips→Spine→Chest→shoulder.R→upper_arm.R→lower_arm.R→hand.R
と階層を辿っていき、このhand.Rに先ほどの立て看板をドラッグアンドドロップします。

はい。無事階層移動が出来ました。これで看板はこんちゃんの一部となります。このままアップロードすると常にこの看板を手に持ったこんちゃんになります。例えば帽子をかぶせたりする場合はこれと同じ方法で、位置を合わせた後Headのところにでも入れておけば常に帽子をかぶったこんちゃんがアップロードできます。今回は出し入れまでできるようにするのでまだ終わりではありません。それと、看板のTransformに設定されている値がえらいことになってるのが見えると思いますが、あれはアバター内に存在している場合の値を計算しているようで、こうなると微調整はかなり面倒になるので、サイズなどをいじり直したい時は一旦入れた小物をアバターの階層の外に出せば数値が直るので、その状態で数値を調整して再度アバター内の階層に入れるようにするといいでしょう。調整が終わったら、一旦右上の「立て看板」と書いた左横のチェックボックスを外して看板を非表示にします。

アニメーションの設定

 いよいよアニメーションを設定していきます。急にアニメーションとは? と思った方に解説です。この場合のアニメーションとは何かを動かしたりする演出ではなく、「物の表示、非表示の切り替え」という処理を行わせるためのファイルです。「看板を出すアニメーション」「看板を消すアニメーション」を切り替えることで出し入れを行います。まず、こんちゃんの一番上の階層を選択した後、Inspectorの隣のAnimationタブをクリックします。

その後、右の方のCreateボタンを押してから適当な名前を付けて保存をすると、projectの現在選択しているフォルダ内にアニメーションファイルとアニメーションコントローラーファイルが作成されます。これは前回の記事でも解説した通りです。四角が3つと三角が1つ描いてあるアニメーションコントローラーはアニメーションの編集が終わったあとで削除します。

次に、右上の録画ボタンを押すと、録画ボタンが赤くなりこんちゃんがよっこらせっとしゃがみます。このしゃがみはアニメーション編集時にアバターのボーンの回転などがデフォルト値になることで発生するらしいですが、要するに「アニメーションファイルの編集中ですよ」の合図なので気にする必要はありません。逆にこのポーズが直らない間はアニメーションと関係ない値はいじっても反映されません。で、この状態になったら……

先ほど非表示にした立て看板を表示します。すると、チェックボックスが赤くなります。これは「今編集中のアニメーションではこの動作をやるよ」という意味で、これでこのアニメーションは「看板を表示する」指示を出すアニメーションになりました。

アニメーションタブを開いて録画ボタンをもう一度押すと編集終了です。「立て看板」にチェックボックスが入った指示が右上に表示されているのが見えますね。

ここまで終わったら例のアニメーションコントローラーファイルは削除します。しかし、ここまでしてもなおしゃがんだ姿勢は直りません。このままではいけないので……

適当なアニメーションファイル(今作ったのではなくてもいいです)を選択し、Animationタブを開くとこんちゃんのポーズが直ったりします。直らない時は色々なアニメーションファイルを選択してはAnimationタブを開いてみましょう。多分いずれ直ります。確実な方法として本来は、Animationファイルをいじる時はHierarchy上でこんちゃんをCtrl+Dでまるっと複製した後、コピー元を先ほどの看板のように非表示にし、コピー側で上記のアニメーションの編集を行った後コピー後の方のアバターを削除、コピー元を表示、という手順を踏むのが確実なのですがわたくしは面倒なので最近はそこまでしてません。

ここでアニメーションを複製してちょっと編集します。project上のkanbanアニメーションファイルを選択しCtrl+D(project上でファイルを複製する際は必ずこのショートカットキーを使用するので覚えておいてください)でコピーします。するとkanban1というアニメーションが出来ます。

今回はファイル名を「non」にリネームし、右上の「立て看板 1」と書いた指示の「1」の部分をクリックします。そしてこの部分を0に書き換えます。

これでこのアニメーションは「看板を非表示にする」アニメーションに書き換わりました。ここまでできたらアニメーションを配置するためFXの編集をしていきます。

アニメーションファイルの設定

 Hierarchyのこんちゃんの一番上の階層を選択して画面右上のInspectorタブを開き、下の方にスクロールしていきます。すると、FXという項目が見えますね。これをダブルクリックします。

するとこのような画面が開かれます。こちらは前回の記事で表情のためのハンドサイン設定などをいじった場所で、おさらいをするとこのような構造になっています。

AllParts
何も入れません。ここにアニメーションを設定してしまうとアバター切り替え時にチラ見えしたりします。

New Layer
これは表情用に新規に作成したレイヤーです。中には「表情に使うブレンドシェイプを全て0にする」アニメーションだけが突っ込んであります。

Left Hand
左手のハンドサイン用のレイヤーです。

Right Hand
右手のハンドサイン用のレイヤーです。

これが基本構造になります。物の出し入れをするにあたってはこの4つは一切いじらず新しいレイヤーを作って行います。これを間違えて変なところにアニメーションを入れてしまうと面倒なことになります(わたくしはAllPartsのところによく入れてしまい仕込んだ小物がアバター切り替え時にチラ見えしてしまうなどしていました)

レイヤーの右上の+ボタンを押すと新規レイヤーが作成されます。

新しくできたレイヤーの右のギアボタンを押すと、このような画面が出ます。このWeightというところが最初0になっているのですが、スライドを動かして1にします。これを忘れるとアニメーションが動いてくれないので忘れず行いましょう。

次にLayersの右のParametersをクリックし、また右上の+ボタンを押します。するといくつかわけわからん名前が出てくると思いますが今回は「int」を選択します。これで新しい変数が作成されました。リネームして「kanban」にしておきます。

次にレイヤータブに戻って先ほど新しく作ったレイヤーを選択します。今回はkanban animとリネームしてあります。そこに、project上から先ほど作成した「non」アニメーションをドラッグアンドドロップします。するとこのような感じになります。ここで一度、配置した「non」をクリックしてWrite Defaultsのチェックを外します。

前回の記事でWrite Defaultsをわざわざ使っていましたが、有識者から話を聞けば聞くほど「使わない方が無難」であることが明らかになったので今回からは表情のアニメーションステートマシンも含めてWrite Defaultsは全て外しています。アニメーションの仕組みをある程度理解し、Write Defaultsを有効に利用しつつ不具合の発生を抑える構造を維持できるのなら使ってもよいでしょうが、そうでなければ外しておいた方が間違いありません。

次に「kanban」アニメーションをこの位置に置きます。Write Defaultsがついていたら忘れずに外します。

今度は「Any State」とある水色のボックスを右クリックします。するとMake Transitionという項目が出るので実行します。すると……

矢印を引っ張ることが出来ます。このように「kanban」のボックスに繋ぎます。

同様に「non」の方にも矢印を伸ばしていきます。

今度は「kanban」につながる矢印をクリックしてinspectorを開きます。すると下の方に「Conditions」という項目があるので、その右下の+をクリックします。

すると変数名が表示されたボックスができあがるので、クリックして「kanban」変数を指定します。

その右の「Greater」を「Equal」に変え、さらにその右の0を1に変えます。

はい、するとこうなります。これは「kanban」が1のときはこのステートマシンに飛ぶ(そして看板を表示するアニメーションが再生される)ことを意味します。

同様に「non」に繋がる矢印にも設定を行います。nonの方は値を0にします。「kanban」が0のとき、看板を非表示にするアニメーションを再生する、という仕組みになりました。

またこんちゃんのInspectorを開いて今度は一番下の方のExpressionsのところのCustamizeボタンを押します。これで、Avatars3.0の目玉、Expression Menuの編集に差し掛かることになります。

project上で右クリックしてCreate→VRChat→Avatars→Expression Parametersと作成します。同様にその上にあるExpression Menuも作成します。

作成したExpression Parametersをダブルクリックして新しく変数を登録します。今回は「kanban」変数を作成したのでその名前を入力します。

タイプミスして名前を打ち間違えないように気を付けましょう。ミスがあると動きません。

Expression Menuの方を編集していきます。選択したらAdd Controlをクリックして新しいコントローラを作成します。

するとこのように新しいコントローラが作成されました。Nameをkanbanにして……

TypeはToggleを選択します。これでメニューのボタンを一度押すとオン、もう一度押すとオフにできます。

その下のParameterはkanbanを指定、Valueを1にします。これで、「メニューのkanbanボタンからオンにするとkanban変数が1になってkanbanアニメーションが再生され看板を出す」コントロールができました。

最後に作成したMenuとParametersをそれぞれの場所にドラッグアンドドロップして設定します。これで準備はすべて整いました。あとはアップロードして動作を確認してみましょう。

この明らかに何か楽しそうな人間のマークがExpressionsです。ここを押すと……

kanbanボタンが出来ていますね。そしてこれを押すと……

はいドーン!!完成ー!!!
kanbanボタンをもう一度押すとちゃんと消えるのも確認しましょう。持ってるとこがヘン、とか向きが逆、とか判明したら位置調整しなおしになりますが、上に書いたように階層の外に出してオブジェクトを編集すると出し入れするアニメーションも作り直しになるので注意してくださいね。

以上になります。色々大変かとは思いますが、この理屈を基軸にステートマシンや矢印の行く先をいじり倒してアバターギミックを作っていく……ことになるのでしょうが、大変なのでこれだけできれば大概十分だと思います。それでは、わたくしはキャベツにマヨネーズをかける作業に入りますので、さようなら。次はEXメニューを利用したマテリアル変更あたりについて書こうと思います。

Avatars3.0でアバターにイスを仕込む

VRC_Station
VRC_Station
VRC_Station
(Uh~)
なんでもありの 楽しい椅子
楽しいアバター
滅多に綺麗に座れないけど……

Najikoです。

前書き

 今日はアバターにイスを仕込みたいと思います。参考にしたのはこちらの方のツイートです。

参考に、というか実質的にこれ以外のやり方はないのですが……というのも、VRCSDK2にはExampleフォルダ内にChairのprefabが入っていたんです。つまり、イスのサンプルが既に出来上がっていたわけですね。あとはそれをHierarchyに入れて、座標とScaleを調整してアバターのボーンの階層に入れてハイおしまい……だったのですが、なんとVRCSDK3にはこのイスのサンプルが入っていません。多分、ワールド用のVRCSDKとアバター用のVRCSDKが3では別物になっている為、アバターの方には入れてないんだと思います(ワールド用の方に入ってるかは知りませんが)

やり方

完全に先ほど貼ったツイートの通りなのですが、忘備録ということでおさらいしながら書いていきます。

1.Hierarchyで右クリックしてCubeを1つ作ります。

2.Cube内のMesh rendererとBox Colliderコンポーネントのところで右クリックしてRemove Componentで2つのコンポーネントを両方削除します。

3.Cubeを(今回はChairに)リネームして、その上で右クリックしてCreate Emptyし、Chairの中に空のオブジェクトが2つ入った状態にします。

4.Chairを選択し、Add ComponentでVRC Stationを追加します。

5.Chairの中のGame objectの名前をそれぞれEnter、ExitにリネームしてChairのVRC Stationの画像の場所にドラッグアンドドロップします。

6.今回は尻尾に座れるようにしたいと思うのでPositionをいじって尻尾のところにChairを置きます。

7.Chairをこんちゃんの階層の中のArmature→Hips→Tail_01の階層にドラッグアンドドロップして入れます。

8.入れるとこうなります。今回に限ったことではありませんが、何かをボーンの階層に入れた時は新しく入れたものが同じ階層の中で一番下に表示されるように入れるのが正解、らしいです。

完成!

 あとはこのままアバターをアップロードすれば、今回の場合は尻尾にイスが入ったこんちゃんの完成です。例えばこれを手に入れたいならHandに、手に持たせたイスのオブジェクトなどに仕込みたければそのオブジェクトの中に……と、入れる先によってどこに座れるようになるか変わります。あとは挙動に合わせてRotationをいじって据わる向きなどを調整したり、いろいろやってみて下さい。なお、一度入れたオブジェクトのScaleやRotationをいじる時は一度アバターの階層から外に出して、いじってから再度入れたい階層に入れましょう。(数値が変になるので)

 以上です。座ったアバターにアニメーションを再生させたい、等の場合は最初に貼ったツイートの枝の下の方を参照してください。(わたくしはそこまでやったことがないので)

 では、わたくしは動画を撮りに変なワールドを探しに行くのでさようなら。今度は物の出し入れについてでも書こうかと思います。

Murder4実験記録

どうも、Murder部のNajikoです。
今回、すこーしMurder4の銃の当たり判定について実地で実験を行いましたのでご報告です。まあ、「こうなんじゃないか」という仮説や推察もあるのですがまだ何とも言えないので、そこは記事の最後に書くことにしてまずは淡々と事実を列記していきたいと思います。

次の写真はいずれも発砲しても命中しなかったときのものになります。

 撃った部位は頭部、手、腕、胴、腰になりますが、命中しなかったこれらのテイクの共通点としては「近すぎた」という点が挙げられます。フレンドビームを当てた時に見える青いカプセル部分よりも内側に銃口を突っ込んで撃った場合は当たらないようです。

 ただし、突っ込まないように距離を取った場合は結果が変わってきます。その場合手、腕以外の箇所には命中しました。ではカプセルであればどこでも当たるのかと言うとそうではなく、カプセルの内側にはあるものの尻尾を横から撃った時は命中しませんでした。

そして、こちらをご覧ください。これはゲーム中の写真ではありませんが、この横になっているでっかいネモフィラちゃんの赤で囲った部分がビームを当てた際にカプセルが出ている箇所になります。実地で撃った際、このカプセルの外側(腰や足)を撃った時は命中せず、赤枠で囲った部分を狙った場合は命中しました。

 その他、弾道についてですが、わたくしは独自に「フレンドビームの軌道と弾道の関係があるか」も調査しました。結論としては特に関連がなく、銃口をまっすぐ前に向けているときフレンドビームは大きく斜め上方向に角度がズレています。そして、銃口を下に向けてフレンドビームが当たっている状態で引き金を引いても命中しませんでした。

 今回推察された内容は、
・カプセル内が当たり判定である。ただしカプセルの内側から撃つと判定が行われない。
・Humanoid Rigの仕様上、当たり判定はカプセルそのものより少し前にズレている可能性がある(横から撃って尻尾に命中しなかった為。ズレはHipの座標の関係?)
・ボーン自体に当たり判定があるわけではない(手、腕、カプセル外の下半身に当たらなかった為)
・弾道は銃口から一直線に飛んでいる(インタラクト範囲を示すフレンドビームとは関係ない)

といったところです。続報があればまた書きます。

Murder概論~応用編~

うらやましいよ、ソラ。
俺の正月、終わっちゃった──

 SummerSweet!マーダー部部長のNajikoです。

前書き

 前回Murderの基礎というか、こんなゲームですよ的なことを書きましたが少し込み入ったことを書いてみたいと思います。

仕様(経験則)

 Murderで独自に検証されたり経験則から導き出された仕様についてです。2及び3の実地検証は2020年10月15日現在の情報に依ります。なお、インスタンスの不具合やラグによる不正な挙動の可能性についてはVRCの仕様上完全に排除することはできないのであくまで仮説として参考にしてください。

・プレイヤーの当たり判定
基本的にアバターの大きさに依存します。フレンド申請をするときに飛ばすビームを当てた時に出るカプセルの大きさがおおよその目安になります(ただし正確ではありません。カプセル外の部分に判定があったり、体の部位によっては当たらないこともあるようです)極小のアバターでもカプセル分の当たり判定(あるいはナイフに関してはそれ以上の判定)が担保されるので全く当たらないということはありませんが、遠くから銃を撃ったりとっさに斬りかかったりしても当たらない可能性が高いです。逆に極大アバターになると回避はほぼ不可能になります。ゲームとしてマーダーを楽しむのであれば常軌を逸したサイズのアバターの使用は控えた方がいいかも知れません。

・自殺の可否
銃、凶器のいずれも自分に向けて使用しても死にません。凶器は放り投げた結果自分に当たったとしても死ぬことはありません。ただし4のトラバサミは設置後自分で踏むと死にます。また、Murdererが複数人いる場合はお互いのナイフが当たれば死亡するため、鉢合わせた際に2人同時に死ぬことがあります。

・2の射撃判定
2は銃の当たり判定が広く、一説には撃った方向が正しければ壁があろうと関係なく当たる、などとも言われていました。実際に検証してみるとどうなったのかと言いますと、現在の仕様では遮蔽物があると当たりませんでした。クランク状になっている廊下を一直線に抜くような射線で撃った場合も当たりませんでした。ただし、跳弾します。壁に向かってまっすぐ撃ったところDetectiveの後ろにいる人が死ぬ、壁に向かって斜めに撃つと、弾が跳ね返った先の位置にいた人が死ぬ、といった感じで、鏡面にレーザーが当たった時の入射角と反射角のような弾道が推定されました。そのほか、1階のロビーで前にまっすぐ撃つと2階の廊下にいる人に当たる、ということも確認されました(逆の場合当たりませんでした)。このことから上方向への当たり判定がかなりあるのではないかという説も出ました。なお、壁やドアのコライダーについては手と銃が完全に抜けるまで突っ込んで撃てば当たりますが、コライダーにめり込ませるようにして撃ってもその先には届きませんでした。

・3の射撃判定
2と比べると弾を外す頻度が高くなりました。狭い屋内で検証したところ一部2と同じく跳弾するような挙動が確認されたものの、発生頻度が低く、普通にプレイしている限りは体感できない程度のものでした。また屋外で岩や地面を撃った場合には跳弾するような挙動は確認できず、上方向への判定もかなりシビアで、銃口を正確な角度で向けないとプレイヤーに当てることが出来ませんでした。なお、射程距離に関しては未検証ですが少なくとも2ではロビーの端から廊下の奥くらいまでは届くようです。

・4の射撃判定
4の射撃判定は現状厳密には未検証ながら、経験上3と同様に正確に撃たなければ当たらないことが確認されている状態です。正確に撃ったつもりでも当たっていないこともしばしばあり、3よりさらにシビアになっているのではないかとも言われています。また、狭い廊下などで何発も撃っても跳弾する挙動は確認されていません。なお、4ではMurdererが人を撃ち殺した場合、あるいはBystander側がMurdererを撃ち殺した場合(Murdererが複数人いるとき)銃を落とさなくなりました。なお、銃の種類(ショットガン、サイレンサー付き小銃、探偵の短銃)による当たり判定の大きさについては体感的に大きな差はないように感じられます(ショットガンは銃身が長いため狙いやすくはあります)。

・投擲について
凶器はMurdererが投げた場合、飛んでいった先にいるプレイヤー(自分以外)に命中すると殺害することが出来ます。2では「クローゼットの服の上にナイフを置いておくと開けた時頭に刺さって死ぬ」という情報がありましたが検証してみたところ現在は落ちてきたナイフに刺さって死ぬ現象は確認できませんでした。ただし、Murderer以外の人物がコライダーを利用して凶器を押して動かした場合、その先にいるプレイヤーは死亡します(4で確認済み)。プレイヤーの介入がポイントになっているような気がしますが、厳密な検証は行われていません。

・銃の行方
銃を持っているときに殺害されたプレイヤーは当然銃を落っことしますが、4で2階にいるときに殺害された場合真下に地下室があると床コライダーをすり抜けて地下に落ちることが何度か確認されています。発生条件は不明。また一時地下から2階に繋がる隠し通路があるという話を聞きましたがこちらは探して見たものの見つかりませんでした。

特殊ルール

・Teams
4は部屋内の全員が参加するモードと切り替えられますが、Murderは参加者用のサークルに立ったプレイヤーがゲームの舞台に飛ばされる仕様になっています。その際、2人以上が1つのサークルに立っていると同時に飛ばされて同じ役職がつきます(4ではTeams Enabledにチェックを入れるとこのサークルが出るようになっています)。当然Murdererのサークルに2人以上いればMurdererは複数になり、その全員が死亡しなければBystander側は勝利になりません。総参加人数が少ない時は大変な脅威になる為、基本的にチームを作るのは参加人数が多くなってからになります。

・大人数でのプレイ
サークルは全部で12個ですが、ワールドには12+joinでさらに12人入れる為最大参加人数は24人になります。しかし、Murderが24人でまともにプレイできるかと言われると正直な所ちょっと疑問です。なぜなら、大人数でプレイするとBystanderはどこにいても密が避けられず常にMurdererと鉢合わせる危険に晒され、Murdererはどこで人を殺しても誰かに見られる上数多く殺さなければならず、DetectiveはMurdererが目撃されるまで人数が多すぎてまともに推理を働かせることもできないからです。ここでサークルを利用して2人ペアを作れば総数に対してMurdererが増えるため一見公平に見えますが、Detectiveは2人になっても銃は1丁しか用意されていないので実際にはちょうどいい危険度にはならず、大人数でプレイすると始まった途端Murdererと鉢合わせた複数のBystanderがごそっと一網打尽にされて死亡する光景がよく見られます。パーティゲームみたいになって面白いところはありますが、本来のゲームデザインに鑑みれば個人的には適正人数は2や3はせいぜい10人、4も12人を上回ってくる人数になると段々カオスになってくるな、という感じがしています。プレイスタイルは参加者で相談して、場合によってはインスタンスを分割するのも方法のひとつかもしれません。

・Invisible knighf
4で置いてあるナイフが見えなくなるシステムです。Murdererが持っているナイフは見えますが、手放した時点で再び見えなくなります。「ここにナイフがないので誰か殺されたかも」という推定ができなくなるほか、Murdererも一人殺してはナイフを置いて素知らぬフリをする、といったプレイが可能になります。しかし、殺害現場には血痕が残り、ナイフを当てた際には「シャキン」と音が鳴る為、バレないように動き回るのが難しいことには変わりありません。

・Random spawn
4で開始位置がランダムになるルールです。Detectiveのみランダムにはなりません。ランダムと言っても始まる部屋がランダムになるだけで同じ部屋に複数人飛ばされた場合同じ座標からのスタートになります。全員がロビーで始まるよりもランダム性が足されて面白くなりそうな気がしますが、実際のところMurdererと同じ部屋に詰め込まれたBystanderが開始数秒で為す術もなく殺される上、Bystanderはどこから始まろうと基本的に散っていくのでほぼMurderer有利のルールです。ただし、わたくしのように何があっても開幕でDetectiveの部屋に突撃しようとするプレイスタイルの場合、探偵の部屋から遠い場所でスタートした場合困ることもあり、マンネリ化を防ぐという意味では有効な機能と言えます。

・ポラロイドとカメラ
2021年1月5日くらいから実装された新機能です。各部屋にランダムで置かれたポラロイド写真(全体マップ上では紫色の髑髏マークで表示されます)を5枚集め、探偵の部屋の机の正しい位置に並べるとフラッシュを焚くカメラが手に入ります。このカメラで写されたプレイヤーは一時的に視界が真っ暗になり、手に持っている武器を落とします。Murdererへの対抗手段の一つとしてデザインされているのだと思いますが、実際のところポラロイドは証拠と別に集めた上で探偵の部屋まで持ち寄る必要がある(ただしグローバル)為、集まる前に大抵は勝負が決まります。また、集めてカメラを手にしたところで、Murdererと十分な距離が取れていなければ死角から刺されるのがオチで、仮に撮影してナイフを落とさせたところで武器を持った味方が手近なところにいなければ時間稼ぎにしかなりません(カメラは1度しか使えないようです)。一応、銃と違ってその方向に向けて使えば確実に命中はさせられると思いますが(自分で使ったことはないです)手間に見合ったアイテムかは疑問で、有効な使い道と言えば「先に証拠を集めたBystanderを写して銃を強奪する」くらいしか思いつきません。Murdererが銃を手にしてしまっている場合に落とさせれば重畳ですが、銃を持っているのがMurdererだと判明していなければ無暗に使えないでいるうちに撃ち殺されるし、判明していても写そうとしたときに撃ち殺されるか写せるか五分五分くらいが関の山、という気がします。

その他

 あとはまあ、証拠品の仕様としては1つ集めると新しい場所に1つ出る、というのがあるくらいです。4では同じ部屋内に最初から複数個存在する場合もあるためよく探した方がいいでしょう。2と3は狭いはずなのに見つからない時は全然見つからないので、時にはあきらめも肝心です。

 思いつく限りはこんなとこですが、「これどうなってんのよぉ、ねぇー」というものがあれば知ってる限りは追記します。では、これからスパゲッティを茹でるのでさようなら。Among usでもお会いしましょう。

Murder概論

 あけましておめでとうございます。Najikoです。今年もガシガシVRしていきたいですね。よろしくお願いします。

 皆さんMurderやってますか? わたくしがめっぽうハマっているVRCにあるゲームワールドです。

publicワールドでは海外キッズも多く遊んでいます。

ルールの概要

 知らない方向けにざっくりと概要を説明します。もう知っている人は読み飛ばしてください。一言で言うとMurderはアクション人狼です。1は既に存在せず、Murder2~4が現在遊べます。参加者はゲームの舞台になるフィールド(2と4は洋館、3は小さな島)にゲーム開始と同時に飛ばされます。そして、以下の役職がつきます。

・Bystander
一般人です。最初は武器がありません。Murdererから逃げ回りながらフィールドに散らばる証拠(2では手紙、3ではボトルレター、4では写真や懐中時計など)を5つ集めると銃などの武器が手に入り、Murdererを含むほかプレイヤーに対する殺傷力を得ます。
・Detective
探偵です。最初に目の前に銃がある特定の部屋から始まります。他のプレイヤーを銃で撃ち殺すことが出来ます。
・Murderer
殺人鬼です。フィールドに落ちている凶器(ナイフなど)を拾ってほかのプレイヤーを殺害できます。

 そしてそれを踏まえた上でゲームのルールも説明します。

・基本的にMurderer1人、Detective1人、残りはBystanderになります。
・Murdererは自分以外全員を殺害すれば勝利、Bystander側(Detective含む)はMurdererを殺害すれば勝利です。
・凶器はMurderer以外は持つことが出来ません。
・Detectiveの銃はMurdererは持つことが出来ません。
・証拠は全役職が集められ、証拠を集めて出た武器は全役職が持つことが出来ます。

 投票システムなどはなく、誰かが犠牲になってMurdererがバレない限りは自分の身は最後まで自分で守らなければいけない緊迫感が魅力的なゲームと言えます。

完全攻略(?)

 さて、各役職はどのように動くべきでしょうか。ゲームである以上、勝利条件を満たすにあたってよい手とそうでない手があるはずです。独断と偏見で考えていきます。

・Bystander
 実のところ、一番なることが多いBystanderが最も大変です。証拠集めは常にMurdererに刺される危険と隣り合わせだからです。特に、開始位置をランダムにできる4では密室で最初にMurdererと鉢合わせると部屋から出る間もなく死ぬこともあります。一応、Among usと違って証拠集めをサボっても直接勝利から遠ざかるわけではありませんが、その場合逃げ回る以外にやることがありません。
 わたくしの場合、序盤は誰かと部屋で鉢合わせたらサッと逃げて一人で証拠を集めつつ、時折Detectiveの部屋や陣取っている場所の様子を見に行って銃が落ちてないか(Detectiveが殺害されていないか)チェックします。武器が手に入ったらDetectiveのいる場所に向かうのがせいぜい、といったところです。出し惜しみしてうっかり死ぬのももったいないのでその辺をうろうろしてる人を撃ち抜いてもいいのですが、近くに他のプレイヤーがいるとMurdererに間違えられてしまう可能性が高いのが難点です。2では隠れてDetectiveがやられたら銃を回収しに行くこともできますが、場所が狭いので大抵拾う前に刺されて死にます。3ではDetectiveがやられると銃が初期位置にリスポーンするのでそこに陣取ったりもしますが、待機してるときにMurdererが乗り込んでくると漏れなく死にます。4は最後の一人になるとMurdererに位置を知られてしまうのでずっと隠れていると単に追いつめられて死ぬことになります。
 結論としては「なるべく安全に証拠を集めつつMurdererが誰か見当をつけ、あわよくば武器が手に入ったら撃つ」といった感じです。あまりにも普通なのですが、Bystanderは本当にこれしかありません。なお、Bystander同士が1か所に固まっているとMurdererに一網打尽にされるのでDetectiveや他のBystanderの様子を見るときは気づかれないようにそっと遠くから見守る明子姉ちゃんスタイルを取るのが無難です。

・Detective
 最初から武器を持っている為責任重大です。Detectiveが死ぬとBystander側は途端に危険に陥ります。いつまでも最初の部屋でぼんやりしているとMurdererの奇襲を受けて死ぬ危険が高いのでさっさと部屋を出るのがベストですが、かといってBystanderに混じってうろついているとBystanderと同じだけ刺されるリスクが高まります。
 ところで、実はDetectiveはBystanderを撃ち殺したとしても直接のペナルティがあるわけではありません(銃を落としてしばらく拾えなくなるだけ)。よって、手あたり次第に撃てばいずれ勝てる……と、最初は思っていたのですがMurdererが熟練してくると銃を落としている間はおろか外した後リロードにかかる時間を突いて刺してくることさえあるので、リスクがぬぐい切れません。特に屋外で場所が開けている3ではこの方法は向きません。そこで、考えられる方法としては「死角のない場所で待つ」ということがあります。特定の場所にいることが分かれば、生き残っているBystanderも告発がしやすくなります。
 まあ、大体みんなこうするのですが、ポジション取りが大事です。わたくしのオススメは2では探偵の部屋から出てまっすぐの突き当りに、3では灯台から出て右に回って灯台の横に、4ではピアノのある部屋で待っていることが多いです。2は2階の廊下にいることで上からナイフを投げられる危険を抑えられ、探偵の部屋を正面に捉えることで、そこにあるナイフを封殺できます。左の廊下から出てくるMurdererにだけは要注意ですが下のロビーで待つよりも安定します。3は灯台横から見張っている限り、死角から凶器を取ってMurdererが来ることは不可能なので、Murdererが証拠を集めてBystander面して銃を手に入れて撃ってきたり、凶器を持って向かってくるMurdererに対して銃を外しさえしなければ必勝のポジションです。直線距離も申し分ないです。4ではドアに鍵をかけて、しばらくガチャガチャしないと開けられないように出来るため、ピアノの部屋の2つあるドアのうち片方の鍵をかけ、もう片方のドアを見据えて銃を構えることで奇襲のリスクを低くしつつ距離を稼ぐことが出来ます。
 なお、Murderにおける銃は弾と着弾地点が見えず、判定もラグなのか元々の仕様なのか撃ってるはずなのに当たらない、なんてこともあるので距離を取るのは必須です。射撃の試行回数が勝敗に直結すると言っても過言ではありません。(ちなみに2では跳弾するような挙動を見せることがあり、同時に離れた位置の複数人が撃ち抜かれることもあります。判定も非常に広いです。3は跳弾はほとんどしないように見えますが判定が不安定です。4は跳弾らしい挙動は見えず、判定そのものも安定していますが渋く、「これ当たってないの?」ということが多々あります)
 結論としては「奇襲に強く距離が稼げる場所で待つ」といった感じです。4ではドアの鍵を閉めるとBystanderに嫌がられることがあるので籠城はほどほどにしましょう。

・Murderer
 みんなこれになりたくてやってるようなものだと思います。自分以外の全員を殺害すれば勝利、とはいえ途中でバレてしまうとDetectiveがやってきて撃ち抜かれてしまいます。では慎重に動くのが最適解なのかと言うと、モタモタしているとBystanderが証拠を集めて銃を手に入れてしまう為結局不利になります。自分も証拠を集めれば銃を手に入れられますが、見つからないことも多く、いざ出ても手榴弾(3と4のみ)だった場合はほとんど意味がありません。また、4以外ではMurdererも人を撃った後銃を落としてしまうのでわざわざ探すメリットは薄いです。
 とにかく、大原則としてリーチのある銃に対しては圧倒的に不利です。銃は外れることもありますがそれに期待して突っ込むのは分が悪すぎます。上述の通りモタモタしていれば銃持ちと対峙する機会が増えてより不利になります(Bystanderを殺害して銃を奪う手もありますが、Detectiveと合流されるとそれも絶望的になるのでリスキーでおススメできません)。
 では、どうするべきかというと結論としては「最初にDetectiveの部屋を強襲して殺害する」のが実は最も安全です。どうせいずれ銃を持ったDetectiveと対決することになる以上、死角のない場所に陣取られてからでは手遅れです。特に2では探偵の部屋にはナイフも置いてある為圧倒的に強襲がしやすいです。4ではランダムスポーンの場合探偵の部屋から遠いこともありますが、最寄りの凶器を取って走れば最悪陣取る為に移動しているDetectiveをすれ違いざまに殺害できる可能性はあるので諦めてはいけません。また2階からスタートの場合はロビーより早く強襲できます。Detectiveを探偵部屋内で殺害できた場合は、そこにあるトラバサミ(Murdererのみ使用できる、設置個所を通ると死亡するトラップ)を入り口に仕掛けることでBystanderによる探偵の銃の回収も阻止できるためメリットが大きいです。なお、3は初期位置と探偵のスタート位置の灯台がフィールドの端同士にあるので初手で強襲はできませんが、DetectiveはBystander側の初期位置に移動してくることが多いので岩場の影で待てばサッと奇襲できる可能性はあります。灯台の横に陣取られた場合は証拠集めでもするかDetectiveをその場から動かすために適当にキルし始めるしかありません。
 うまく強襲に成功してDetectiveを殺害したら、あとは証拠を集められる前にナイフを手にフィールド内を駆け回りBystanderを鏖殺します。時折探偵の銃のありかに戻って、回収しようとしに来たBystanderを阻止するのも有効です。

周りの様子

 ここに記したプレイスタイルはわたくしの独断と偏見であり、実際のところ誰がどのように動くかわからないところがこのゲームの面白いところでもあります。突然ふざけだす人もいれば、リスクを一切顧みないプレイスタイルでプレイヤーを混乱の渦に巻き込む人もいます。「人間観察」というところでは非常に面白いところでもあります。大体、パターンというほどではありませんが行動を大別することはできます。観測している範囲でよくある事例を紹介します。

・普段通り会話する人
MurdererでもBystanderでも同じようにしゃべりながらやる人です。「ここにもないなー、見つけた?」とか言いながら刺してくるので非常に恐ろしいです。刺された側が断末魔を上げなければ疑われにくいのでとにかくMurdererになった時の危険度が高いです。Bystanderの時よく喋る人はMurdererになった途端無口になることはあまりありませんが、殺しか証拠集めに夢中な時に口数が減る人はいます。当然どっちに夢中かはわからない以上「あれ、口数少ないですね、Murdererじゃないですか?」などと言ってる人の方がむしろ怪しいまであります。凶器を持ってない時にやたらDetectiveに「私じゃないので撃たないで」アピールしながら証拠集めをしに来る人はMurdererの割合が有意に高いのではないかと思っています。
・喋らない人
無言勢ではなくとも黙々とプレイする人です。この手の人はMurdererになってもBystanderになっても口数は少ないままです。情報が少なく、音もなく近寄って来るのでこれはこれで怖いです。最初喋ってなかった人が「あれ、ここにナイフ落ちてますね……」とか「あれ? さっき2人入っていきませんでした?」とか言い出すと、核心に近いことを言っているような気になってしまいますが蓋を開けてみると「お前じゃい」なパターンもしばしばです。
・Murdererの時速攻を仕掛ける人
わたくしタイプです。証拠はまず集めません。喋りもしません。とにかくMurderer時の危険度がダントツで高いのでこのタイプだと認識された人は周りから恐れられ、そういった役割を期待されるのでより早く、より狡猾に人を殺すようになります。この手のタイプはDetectiveになった時も情け容赦ないことが多いのでうかつに近寄ってはいけません。ただし、時間をかけて真っ向から向き合うことで人の心を思い出すこともあります。
・Murdererの時証拠を集めきる人
非常に少数派です。たいていの人は集めながらキルもしますが、頑として集めきるまでキルしないタイプの人です。この手の人はレアな上、試合が膠着するとMurdererがこの人物だとバレてしまうので、このプレイスタイルを常に貫く人はほぼ見たことがありません。最初に集めきれない限りは銃を持ったほかのプレイヤーに対処する方法が課題になりますが、証拠を集めている間は一切不審な行動を行わないのでうまくいけば厄介なプレイスタイルではあります。
・Murdererの時証拠を集めながら殺害する人
普通の人、ですが殺害スタイルは様々で、キルしながら時折ナイフをどっかに置いて移動する人もいれば部屋の入口の角で待ち伏せする人もいます。待ちを行う人は話術よりプレイスタイルで翻弄する傾向が強いように思います。必然的に危険な状況でDetectiveと戦う羽目になるので大抵ナイフを投げてきます。また、誰かにバレると途端に詰むことが多いです。
・Bystanderの時に奇行に走る人
厳密にはプレイスタイルではありませんが、証拠集めが面倒になったのかふざけだす人などです。ゲームに慣れてくると発生します。緊迫したゲームに花を添えてくれるのですが、一生懸命写真を撮ったりしてるとMurdererに一網打尽にされることもあります。わたくしもよく後ろに手を回してナイフを隠しているようなしぐさをしながら歩いてBystanderを恐怖に陥れることがあります。
・Detectiveの時人の心がある人、ない人
怪しいと思ったら、或いは思わなくても撃ち抜いてくる人と、不確定な段階では絶対に撃ってこない人がいます。撃ってくる人は大抵Murderer時にも情け容赦なく常にナイフを握っています。撃ってこない人はどの役職の時も口数が少なく、リスキーな行動は避けることが多い印象です。

実験的行動

 こう動いたら周りはどうする? ということを試してみたこともあります。

・後ろに手を回して歩く
当然ながらBystander時にMurdererと誤認されます。しかし、四六時中そうしている日は本当にナイフを持っているのかわからなくなり、逆オオカミ少年となってMurderer時に同じようにしていても警戒されなくなることもありました。やりすぎるとDetectiveに問答無用で殺されますが、Detective時に人の心がある人はここまでしても無暗に撃って来ません。近づいて何も持ってない手をバッと振りかぶってもなお反射的に撃ってくることをしない人もいます。むしろそんなことをしている自分の心を疑い、罪の意識に苛まれることになるのでほどほどにしておきましょう。
・Murdererでもないのに初手で探偵の部屋に突っ込む
撃ち殺されます。普段の行いからすれば当然と言えば当然です(ただしこの場合も普段無暗に撃たない人は撃って来ません)。これもBystanderの時撃ち殺されるのを承知でいつもやっているとMurderer時に警戒されにくくなるかと思いきや、Detectiveになった人は「この人はいつも初手でこの部屋に来るから今回も大丈夫だろう」とはならず、「いつも初手で来るし、Murdererだったら危険だから殺しとこう」となるため、手を後ろに回して歩くのよりもハイリスクノーリターンな行動と言えます。なおこの方法はトイレに行きたいのにゲームが開始してしまった場合に有効です。
・銃をねだる
相手がDetectiveの場合は、探偵の銃が持てればMurdererではないので応じてくれますが、Bystanderなのに銃を奪って好き放題したいのでなければ特に意味のない行動です。Bystanderが出した銃の場合は渡したのがMurdererだったら危険なので譲ってくれないかと思いきや、こちらも意外と応じてくれることが多いものです。しかし、わたくしは3の時譲ってもらった銃でそのまま相手を撃ち殺してすぐDetectiveに殺される(当然Bystander)という最凶最悪の行動に出たことがある為最近はめっきり人にねだりません。あとわたくしはねだられた場合渡さないので、道義的に自分もねだるべきではないというところもあります。
・命乞いをする
以前土下座の練習をしている人に「おそらく何の効果も得られない」と言ったことがありますが、明確に命乞いをする態度を取ると数秒間殺されなくて済む場合があるので全くの無駄ではありません。ただし、そのお陰で逃がしてもらえることは(ごく一部の特殊なケースを除いて)さすがにありません。意外なことにDetectiveに目をつけられた場合もほぼ同様で、普段から疑わしきを全く撃たない人でない限りはどれだけ両手を挙げて自分でないアピールをしても追い回されて撃ち殺されることが多いです。
・凶器を取ろうとする
Bystanderなのに凶器に手を伸ばす行為をすると、皆わたくしの名前を叫んで一目散に逃げて……いかないんですよね、これが……実際に凶器を手にするところを見るまでは早合点する人はほぼいません。にもかかわらず、わたくしが単独で凶器のある部屋に入っただけで告発される場合もあります。その場合も故意に陥れようとしているわけではないケースがほとんどなのが面白いところです。やはり普段の行いでしょうか。
・むやみやたらに撃とうとする
初期の頃全員殺すムーブをしていたこともあり、見知った人は逃げていきます。ただし、ここで露骨に弁明してくる人は逆に後々凶器を握って来ることが多いので最近は命を奪うこととしています。

 余談ですが、海外勢は勝敗に躍起になるよりごそっと固まって雑談しながら行動していることが多いです。

あとがき

 正月早々書く記事ではない気もしますが、思い立ったが吉日です(今日は仏滅)。Murderは単純なアクションの腕前よりは心理的な駆け引きとランダム要素で勝敗が決まることが多いゲームであるため、誰がどの役職についても毎回違う結果になるのが楽しいゲームです。ただし、Detectiveだけはその気になればいくらでも人を殺すことができ、わたくしはその性質からゲーム性を崩壊させたり、身内外から参加した人にむちゃくちゃブチ切れられたこともあるので意地の悪い遊び方はほどほどにしましょう。人の心とフレンドを喪いかねません。では、今年も皆さん良いVRライフを。わたくしは所属してるアイドルグループで使う撮影に行ってきます。茄子坂46とSummerSweeet!をよろしくお願いしますね。