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えらくなる時

前回はゲーム開始からチュートリアルワールドで初心者案内という名のVR人権宣言を受けたところまで書きましたが、今回はその続きとなります。「転機が訪れる」と結んだ前回ですが、実はまだもう少しかかります。

後にパーソナルカラーとなるNajikoの図

チュートリアルワールドでうろちょろして生きていくことができるようになったわたくし。とはいえ、無言でまだアバターにペンが仕込めることも知らないわたくしは「いーれーてー」が言えない。チュートリアルワールドにたむろしてる人たちもいるのですが、その輪に入ることはできないのです。悲しみ。初心者案内をしてくれた大好きさんがチュートリアルワールドにいるときはjoinしていましたが、当然いつもいるとは限らないし、他のワールドにいるときは「まだ自分は部外者だしな……」と思ってjoinもできません。どうしても、知らない人がたくさんいるところめがけてjoinできなかった。弱すぎる。日本人がいっぱいいるコネクトステーションは紹介されていたので、たまに遊びに行ったりもしていましたが特に状況は変わりません。しかしそんな中、チュートリアルワールドに潜みながら生きていく道はまだ存在していました。

人の初心者案内についていく!

なんて素晴らしい案なのでしょう。我ながら鬼才が過ぎる。初心者案内についていけば少なくとも自分よりはVRCに慣れてないユーザーにビミョーに先輩風を吹かせつつ、フレンドは増えるし、集合写真に写り込めるし、終わった後は誘われるままにみんなで遊び行くこともできます。そしてゆくゆくは……うむ、これだ……

心の師、なでもふ氏のワールドにある飛行アバターの導入法

そうそう、そんなことしてる間に大好きさんにjoinしていた時に、話に聞いていた「空が飛べるアバター」は何をどうすれば実現できるのか、と悩んでいたことがありました。そんな折たまたま大好きさんと一緒にいた、飛行をはじめとする多機能なアバターの作者であるなでもふさんにお会いすることができ、企業秘密かと思っていた飛行アバターの仕組みを余すことなく教えていただいてこんちゃんを飛行させることができたりしました。その後アバター改変にいそしむ原点はここにあるのかも知れません。

日陰者のこんちゃん

初心者案内にはこんな感じで写り込みます。一時は「いつも初心者案内に写り込んでるこんちゃん」として有名にならないかな、とか思いましたがそもそもわたくしがインする深夜にチュートリアルを受ける人は存外少なく、「収穫」のない日が続くこともありました。

ドキドキしちゃいますね

スノウエルフちゃんがむちゃくちゃ巨大化するワールドに一人で遊びに行ったりしたこともありましたが、この頃はかなしい酔ひに負けて寝込むこともありました。今ではちょっとやそっとのことではVR酔いしませんが、正直こんな酔うならどのみち長続きしないんじゃないかと思ったりもしていました。人間、慣れるもんですね。

運命の日、7月8日。実にVRCを初めて2か月。ついに初心者案内についていく暮らしに終わりが訪れようとしていました。ぶっちゃけて言うと、それまでの間に初心者案内についていってその後皆で遊ぶところまでもっていけた回数は数えるほどしかありませんでした。皆寝ちゃうからね、仕方ないね……そもそも、わたくしは初心者案内に混ざることを目的に初心者案内に混ざっているわけではありません。その後も一緒に遊べてかつ、VRC内で知り合いがまだ少ない誰かを探し求めていたのです。ですから、その時フレンドになった人に「またインしてたらjoinしよう」と思ってその後毎日チェックしてみるも全然インしなくなってしまったり、プライベートワールドに籠っていたりして、振出しに戻って孤立する日々が続いていました。

かしさん

7月8日のこの日もわたくしは初心者案内にくっついていっていました。正直、無言でいると頑張って手を振っても相手にしてもらえないこともあったのですがこの日はかなりいい感じに盛り上がってその後遊びに行ったりもしています。この時にフレンドになったのがかしさん。このかしさんこそ、わたくしが2か月にわたって探し求めていたプレシャスワン……「明日からもjoinできる初心者のフレンド」だったのです。

その後もお世話になったネムさん

この日はパーティクルがめちゃ綺麗なワールドに行くなどして、あー、楽しかったなーという感じでいつも通り終わりました。けれども……次の日も、また次の日も……遊べる……「また明日ね!」そう言って友達と最後に別れたのはいつだったでしょうか?放課後の、あの楽しいひと時。いつしか失われていったあの楽しみが、蘇る瞬間……VRCの真なる楽しみに、わたくしはようやく辿り着いたのです。そう、VRCはVRSNS。コミュニケーションツールであるからには、本当はいつまでもコミュ障ではやってられないわけですが、こんな「裏技」で現在に至るまで続くコミュニティの核を形成することになるとはこの時わたくしは思っていませんでした。

なんて楽しそうなんでしょう

かしさんはその後も度々チュートリアルワールドにいたのでわたくしはそこめがけてjoinしていました。かしさんはわたくし同様人込みを好まず、一人でワールドのスケジュール表を見ていたので「他の誰かと話し込んでいて入って行けない」ということもなく、人見知りカンストのわたくしもそっとそこに行って静かに佇んでいることが出来たのです。確か、えらい集会に行く運びになったのはその時でした。そう。「今日も一日生き延びてえらい集会」……それは、23時(月曜日は22時)に、集まった人々が「今日も一日生き延びてえらい」と互いを称え合い、最後は集合写真を撮って解散するデイリーイベント。わたくしはそれに2度参加したことがありました。一度目は集合写真を撮るときカメラが固定できず悲しい思いをしましたが、その時の写真はえらい集会場の写真がブワァ―と貼ってある坂の床にあります。6月4日の集合写真に写っているU10ちゃんがわたくしです。2回目は7月9日。この日はえらい集会に行ってからかしさんのところに遊びに行っていました。この時は集合写真も撮れています。

修練の結果Kawaiiポーズを会得

てなわけで、かしさんをえらい集会に誘うことに……したんだったか、或いはかしさんが「この集会気になる」と言ったのかどうか……実は覚えてないのですがとにかく、これまで一人でしか参加していなかったえらい集会に、何人か新たに知り合ったフレンドもひっくるめて参加してみることにしたのでした。

今回はまあ、こんなところですね……なお、この記事に名前出してない方の中にもお世話になった方々は沢山いますので、僭越ながらこの記事を以て謝辞とさせていただきます。「出会いに感謝」という言葉がわたくしは好きです。ありがとうございました。それではまた次回。

VRChatの世界

射出!!

この世は地獄じゃ!!

そんなあなたにVRChat。今なら人の心増量キャンペーン実施中です。

そんなところで、21世紀の現世に生きるVRC民、あるいはその予備軍の皆さんごきげんよう。Najikoです。VRCを初めて半年くらい経ったので、盛大な自分語りがしたいな、と思い記事を書くことにしました。アホほど長くなりそうなので、今回はチュートリアル編ということにしてあとで書き足すか別記事にします。

VRChat。それはVRを介したSNS。わたくしがそれを知ることになったのは……まあ、いつか忘れましたが、去年職場の元エンジニアの同僚が、「VRHMD買っちゃったんですよ」と話してきました。自称キャバ嬢に匹敵する会話スキル(聞)を持つわたくしは、それがどんなにか魅力的な物かつぶさに聞くことにしました。すると、(彼は特段自慢をしたわけではないのですが)後日Oculus Questを持ってきてわたくしに体験させてくれました。

「え、すごい……すごくないですか??? そこにイスありますけど……」

そんなことを言った覚えがあります。ホーム画面が山中のコテージみたいなとこなんですね、Oculus Questは。本当にあったんですよ、椅子。ビートセイバーもやりました。難しくて全然できなかった。けれどいつかこれを買って自分で遊びたい、と思ったのであります。

あくる年、コロナ渦にあえぐ5月の頃。ついにわたくしはOculus Questを購入しました。何かゲームをやろう。そういえば、TwitterでVRChat(以下VRC)とかってのを見かけた気がする。自分で選んだアバターでVR世界を闊歩するなんて、面白そうじゃありませんか。いわゆるバ美肉です。しかもなんと無料!早速遊んでみることにしました。

初めの頃に撮った写真です。彼女はU10ちゃんというアバター。ゲームを始めた瞬間は無機質なチュートリアル部屋に放り込まれ、英語の案内(VRCは日本語をサポートしていません)を何となくよんで奥のポータルに入るとHome Worldに飛ばされます。その頃の写真は残念ながらありません。スクショの撮り方が分からなかったからです。まあ、そんなこんなしてるうちにこうして自撮りする方法もわかったのですが、このU10ちゃんの体を借り受けるのにそれほど時間はかかりませんでした。何故なら彼女はパブリックアバター。メニューにも表示される正真正銘の公式アバターの1種なのです。かわいいね。

それから、アバターのアップロードなども検討はしたのですが、ユーザーランクがVisitorのうちはアップできません、という情報を得て落胆。どうも、少し遊んでNew Userとして認められなければアップできないようです。その為に必要なことはワールドをめぐり、フレンドを増やし、プレイ時間を増やすこと。日本人コミュニティの場所もわからず英語で会話するスキルもない(そもそも家で声が出せない)わたくしが取った行動は……

人がいそうなワールドを巡っては外人に辻フレンド申請を投げる!

お前、人の心がないのか。増量キャンペーンとは……しかも当然ながらフレンドはロクに増えず、後に残るのはVisitorでうろつく不審なU10ちゃんユーザーとかなしい酔ひ(VR酔い)です。もう不要になつたUnityが白つぽく錆びてゐます。しかし、ある日そんな状況は終わりを迎えます。

Tutorial World……日本人が集う(外人もいる)このワールドは、初心者が迷い込むとどこからともなく熟練の光のVR戦士が(運よくいれば)現れて案内をしてくれる、VR世界における良心の園。このスクショに写っているのは大好きさん。Questでインし、声が出せない状況でロクに話もできないわたくしを快く案内してくれた恩人です。大好きさんに出会わなければ、わたくしはかなしい酔ひと孤独に負けてVRCを続けていなかったやもしれません。そんな大好きさんに案内の中で言われた言葉で、特に印象に残った言葉をここに記しておきます。

「現実の世界では人が集まってるところに行ってぼーっと立ってたら多分なんだこの人はって思われちゃうと思うんだけど、VRChatではNajikoさんみたいに無言で遊んでる人もいっぱいいるし、現実と違ってそういうところに近寄って話を聞いてるだけでも全然大丈夫だからね」

救済。この言葉は、わたくしに確かな救いをもたらしました。

他人は変えられない、と精神科医のエリック・バーンは言いました。わたくしはそれを信条に生きてきました。他人に期待することはできないし、同様に自分の月並みな言葉もまた他人を突き動かすことはない、と思っていました。けれど……これほどまでに心が救われる言葉があるでしょうか。思い出したら少しディスプレイが滲んできました。HMDの故障でしょうか……いえ、これは現実です。今の今まで右も左もわからず、うまく人と話も出来ず、どこともつかぬバタ臭いワールドを巡っては疲弊していた日々……その最中、この仮想世界に生きる標をわたくしに示してくれた上に無言勢として在るということを全面的に肯定してくださったことがどれだけ暖かいことであるか。本当に改めて感謝を伝えたいです。わたくしは、ここにいられるんだ……もう、ユーザーランクを上げるためだけに奇行を繰り返さなくてもいい。人の心の美しいかたちに触れた瞬間です。

こちらはその日にお見かけしたきーたんさん。最近はこのアバターの作者のmidoriさん作のアバターが集まる集会のスタッフなどをされています。このアバターはティグリなすちゃん。頭が赤色に改変されており、トマトのような印象を受けました。VR空間でこのリップルスターの住人の妖精のようなかわいらしい生き物を発見した時の衝撃はまさに筆舌に尽くしがたいものと言えます。ちょっと撫でさせてもらいもしました。自分の中の何かが壊れるのではないかと危惧したりもしましたが、今では……慣れって怖いね。今にして思えばこのアバターはQuest単体でログインしたユーザーにも見えるようにアップロードされていたわけですが、そう考えると何とも感慨深いものです。ありがとうございました。

その後、New Userに昇格。一人でTutorial Worldをうろついているときでしたが、ちょうど近くにいた人が目撃していたらしく拍手してくれました。ありがとう。心が洗われます。そんなこんなでついにVroidで作成したアバターを導入。「導入。」なんて書いてますがそんな3文字で終わらせたくないくらいにはとてつもない労力がかかりました。ええ。Vroidでのアバターの作成はまあまあ、使いやすいツールなのでそれほど難しくありません。服のテクスチャも、まあ、なんか書いてますが……こんなもんでしょう。しかし、Vroidで作成したアバターはVRM形式で出力されるのです。それをBlenderに取り込み……fbxで出力してハイ終了!

とでも思ったのか! なんたること。

blender上では、さまざまなプラグインを導入してボーンやシェイプキーの最適化、テクスチャのアトラス化などとても初心者がやるもんじゃないような多大な手間がかかりました。おかげでこのアバターはExcellent……つまり最軽量級なのですが。しかしまだ終わりではありません。さらにQuestに対応しようとすると、Quest用のVRC mobile toonlitというシェーダーが透過処理をできない為に目の周りが真っ黒になるなど、本当になんでわたくしはこんなことを……???と思わざるを得ない作業に何時間も費やす羽目になりました。マジで。それどころか、最初にアップロードした時はボーンの最適化すらうまくいっておらず、リアルで腕を伸ばしてるのにアバターの肘が曲がってる、なんて事態も。よくもまあここまでやったもんです。しかし、Vroidで作成したアバターでうろついていると「お、それVroidでしょ」などと言われることがあります。もちろん、決して悪い意味ではないのですが、周りにはプロ級のモデラーが魂を込めて作り上げた美しい肢体が闊歩しています。わたくしのセンスでは及びもつかないようなセンセーショナルな改変をされているアバターも盛りだくさんです。それを見ていると、せっかくなので何か購入したアバターも使ってみたくなりました。そんな時に出会ったのがロポリこん。さっきのなすちゃんと同じmidoriさん謹製のちっこい狐娘アバターです。試着用のアバターを使ってみましたが、これはかわいい……元来セクシーよりキュート派のわたくしとしては、両胸にバスケットボールをぶら下げている美女よりはこの世の全てのKawaiiを濃縮還元したかのようなこんちゃんの方に強く惹かれました。

買いました。本来は緑とオレンジのグラデーションが特徴の服を着ています。その淡い色合いが非常によく、無暗にビビッドカラーに変えたりするのは気が引けたので慎重に色を選んでできたのがこのこんちゃん。これもQuestでの撮影です。そう、ロポリこんはQuest対応モデルが同梱しており、簡単にPCとQuest両方に対応したアバターをアップロードすることが出来るのです。かわいいね。そしてこの色のこんちゃんをお披露目した時も見知らぬ人に「おお、いいグラデーションだなー」とほめてもらえました。なんだか、大人になって失ったものの端っこを掴んだような、そんな気分です。こんちゃんの体を借り、おめかしして、ほめられる。得難い素晴らしい体験がそこにはありました。そうして日々Tutorial Worldに入り浸っていたわたくしですが……そんな暮らしにも、再度転機が訪れます。続く。